都議レスラー・川松真一朗氏、先輩アナが猪木さんの名言引き出した「モットーにしている」

「プロレス・DDT」(23日、後楽園ホール)

8・20大田区総合体育館大会で政治家→プロレスの〝逆デビュー〟を果たした元テレビ朝日アナウンサーで自民党の東京都議・川松真一朗氏(41)が、デビュー3戦目で秋山準(53)の洗礼を浴びた。

西村修(51)、石田有輝(23)と共闘し秋山、岡田佑介(29)、高鹿(こうろく)佑也(24)組と6人タッグ戦で対決。最後は10分39秒、石田が高鹿のトライアングルランサーで敗れ、この日も初勝利はならなかった。

秋山に果敢にヒジを浴びせていった川松氏だったが「効いてへんぞ!」と逆挑発され、逆に強烈なエルボースマッシュを食らった。至近距離からヒザ蹴りを胸に食らい、ピタリと動きが止まる。試合後、川松氏の印象を聞かれた秋山は「オレに聞くのはおかしいんじゃないのか?」と〝顔じゃない〟と言わんばかり。岡田は「議員だから、声くらい出るでしょ。もっと気合を入れてほしい」と辛らつな言葉を浴びた。

川松氏は「秋山さんに認めてもらえなかった。目の前に立ちそびえる姿は、考えるより大きかった。ビビりすぎて近づけなかった」と振り返る。プロレスデビュー1、2戦目はギブアップ負けしたが、3戦目は場外乱闘中にゴングを聞いた。「リングに上がると体が硬くなり、頭が真っ白になる。それでも、ギブアップしなかったので成長したかな」と、レスラーとしての進歩も見せる。

参院議員も務めた元プロレスラーのアントニオ猪木さんが1日、79歳で死去した。テレ朝のアナウンサー時代、番組で闘魂ビンタを受けたことがあるという。なにより、川松氏のテレ朝時代の先輩・佐々木正洋アナは、新日本プロレスの1990年2・10東京ドーム大会で猪木さんにビンタされ「出る前に負けること考えるバカいるかよ!」との〝名言〟を引き出した。

川松氏は「テレ朝のスポーツアナは、闘魂ビンタを受けて一人前のところがあった。佐々木アナは、ビンタを受けたテレ朝の最初のアナウンサー。同じ番組もしていたし、仲良くさせていただいた。『出る前に―』の言葉は、自身のモットーにしている。猪木さんの、政治でも型にはまらない姿を目標にしたい」と胸に宿る〝闘魂〟を口に。国政と都政で舞台は違うが、偉大すぎる議員レスラーの後を追う。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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