「幻の道」鎌倉街道、480キロを20年で踏破 風景や歴史一冊に、愛知の男性自費出版

鎌倉街道を巡り、冊子を自費出版した河合さん=川崎市川崎区

 愛知県の男性が、鎌倉と京都を結ぶ鎌倉街道約480キロを約20年かけて踏破し、風景や沿道の史跡などを紹介した冊子「鎌倉街道〈京鎌倉往還〉」を自費出版した。街道の情景を記した三大紀行文の一節も添え、歴史のロマンを感じられる内容になっているという。

 自費出版したのは、元愛知県職員の河合幸男さん(73)。愛知県一宮市の自宅近くに鎌倉街道があることを知り、歴史を調べるうちに魅了されたという。2001年から仕事の傍らで街道巡りを始めた。

 冊子は、各地の市町村史や現地で集めた資料などを参考に風景や史跡、寺社、地域の歴史などが紹介され、写真約700枚や地図、十六夜(いざよい)日記などの記述を掲載。県内では箱根神社(箱根町)や小田原城(小田原市)、大磯漁港周辺の海岸(大磯町)、源頼朝の墓(鎌倉市)などが取り上げられている。

 河合さんは「『幻の街道』とも称されるように資料が少なく、苦労した。鎌倉時代に重要な役割を担った街道の歴史を感じてもらい、探訪の参考にしてほしい」と話している。

 12月17日午後2時から、川崎市川崎区の東海道かわさき宿交流館で講演会(参加無料、当日先着100人)を開催する。

 冊子はA4判、255ページ。価格2970円。問い合わせは、河合さん電話0586(77)6344。

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