「日本一」そのぎ茶 月香園、1キロ31万円 過去最高値で落札

炭で火入れした出品茶を披露する生産者の尾上さん(左)と落札した月香園の月足取締役=東彼杵町役場

 本年度の全国茶品評会の蒸し製玉緑茶部門で、最高賞の1等1席(農林水産大臣賞)に選ばれた長崎県東彼東彼杵町の尾上和彦さん(46)の出品茶を、茶商社の月香園製茶(西彼時津町)が同部門の過去最高値となる1キロ当たり31万円で落札した。
 品評会は8月、京都府宇治市であり、そのぎ茶が2年ぶりに「日本一」を奪還。東彼杵町では、大山良貴さん(51)が同部門1等2席、福田新也さん(39)が同3席に入り、同町は生産地の上位3人の合計点で競う産地賞に輝いた。
 出品茶は9月13日、京都府城陽市であった入札販売会で取引され、尾上さんの他、大山さんの茶を池田茶園(東彼杵町)が1キロ20万円、福田さんの茶を月香園製茶が1キロ10万円でそれぞれ落札した。
 生産者や茶商社など関係者が21日、町役場で岡田伊一郎町長に結果を報告。尾上さんは「関係者や問屋さんあってのダブル受賞。(今後も)連覇を目指し、そのぎ茶の存在を全国的に高めたい」と話した。
 月香園製茶は45年前、同町に工場を開設し、卸売りも始めた。月足仁彦取締役(48)は「関係者の努力に貢献したいと思い、落札した。日本一のお茶として海外にもPRしたい」と話した。尾上さんの出品茶の一部は29、30両日、長崎市のベルナード観光通りで開く「秋のそのぎ茶まつり」で販売する。


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