現役アウトドア業界人YouTuberのキャンプレンジャーです。今回は『焚き火台の選び方』を成形方法から素材の違い、押さえるべきポイントまで玄人目線で詳しく解説します!たぶん世界一わかりやすいのでぜひご覧ください。
焚き火台選びのポイントを玄人目線で解説します
今回は焚き火台の選び方を成形方法から素材の違い、押さえるべきポイントまで現役業界人が詳しく説明する企画、略して焚き火台の選び方を詳しく説明しますというテーマでやっていきたいと思います。
以下のような流れで説明していきます。
- 焚き火台は2つのタイプに分類される
- 大事なのはサイズと素材
- その他の押さえるべきポイント
- 実際に比較してみる
それでは早速いきましょう!
焚き火台は2つのタイプに分類される
焚き火台は「金型を使って生産されるもの」と「金型を使わずに生産されるもの」、このいずれかのタイプに分類されています。
【タイプその1】 金型をつくって生産されているもの
本体に関わるパーツの形状をかたどった金属(金型)を作り、焚き火台の素材の金属をその金型にプレス機で押し当てて成形するイメージです。
そうすることでパーツを短時間で大量に作ることができるので、生産効率が格段に上がります。
メリットとしては効率が上がることでコストが抑えられるというところですね。
逆にデメリットとしては金型を作る費用がかかってしまうので、金型代が原価のなかに含まれてしまう。そして、原価に含まれた金型代を償却するために必然的に生産のロット数が増えます。
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大量に作っても捌ける見込みのある商品か、もしくは、販売力のあるメーカーでない限りはなかなか金型を作っての商品開発というのはできません。
【タイプその2】 金型を使わずに生産されているもの
ベースとなる焚き火台の素材の金属を、レーザーにデータを入れて指定の形状にカッティングしていきます。
そのカッティングした金属を溶接したりして組み立てていくという流れです。
このメリットは、金型代がかからないので日本の国内でも加工ができ少ないロットで作りやすいというところです。
ガレージブランドの焚き火台がこういった形が多いというのは、それが理由です。
デメリットとしては、やはり生産効率が格段に落ちてしまうのでコストが上がってしまう点です。
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大量に作れないので在庫が多く用意できないっていうところが挙げられるかな。
ピコグリルがコピーされて暴落しているというような話があります。
もともと本家のメーカーがレーザーでカットして溶接してと丁寧に作っていたと思いますが、その焚き火台の金型を中国に作られてしまって低コストで大量生産されたということなのかなと思っています。
そのため、まず検討対象の焚き火台がこのどちらの分類に入るかということを見ていただき、用途に応じて選んでもらうっていうのがいいのかなと思ってます。
それぞれこんな感じの方におすすめです。
金型を使って生産されるもの→安くてスペックの良いものが欲しいという方
金型を使わず生産されるもの→高くてもこだわったものが欲しいという方
続いて、焚き火台の性能と価格に大きく影響する要素を説明していきます。
性能と価格に大きく影響する「焼面サイズ」と「本体素材」
まず自分がどっちのタイプ(金型タイプ or カッティングタイプ)の焚き火台が欲しいかというのを決めてもらったら、次はいよいよ商品のスペックを見ていってください。
さて。焚き火台の性能と価格に大きく影響するのは、「焼面(焼き網)サイズ」と「本体素材」です。
これも順番にちょっと説明していきたいと思います。
焼面(焼き網)サイズについて
まずサイズですが、特に見てほしいのがこの部分。
「焼面サイズ」「焼き網サイズ」などと言われることが多いですが、基本的にここが大きいと薪とか炭をより多く入れられるようになるので大人数で使えるようになる。
なので、商品本体の大きさというよりは、この「焼面サイズ」がどれくらいの大きさになっているかというのが重要かなと思います。
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焼面サイズが小さくなればなるほど原価が下がり、大きくなればなるほど上がると思ってください。
本体の素材について
次に素材の部分。焚き火台に使われる素材は大きく分けて3つです。
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ステンレスとスチールでどちらがいいかというと、サビや耐久性の面で断然ステンレスです。
厳密には同じステンレスでも性能に違いはありますが、そこまでメーカーはサイトなどに載せてくれないので判断しにくいです。
例を挙げると、スノーピークの焚き火台は実際に持ってみるとかなり重いし(5.3kg)、厚みがあるというのはわかりますが、同じステンレスという書き方になっているので他の焚き火台との違いは分かりにくいんですよね。
基本的に原価はステンレスの方が高く、スチールの方が安いです。
気をつけてほしいのが、ぱっと見で本体の見た目がシルバーだとステンレス製かなと思いがちですが、クロームメッキという鉄をサビにくく加工したものがあり、それは見た目がシルバーになります。
焚き火台の購入を検討する際には必ずスペックの文字を見ていただいて、仮に「焼面サイズが小さくて網がスチール製なのに値段がめちゃくちゃ高い」みたいな焚き火台があれば、もうそれはぼったくりです。
もう一つ押さえたいのが「焼き網の素材」
基本的には「焼網サイズ」と「本体素材」というところが重要な点ですが、もう一つ押さえておきたい大事なポイントがあるので説明しておきます。
それが焼き網が付いている焚き火台であれば「網がステンレス製」かどうかですね。
実はこれ、結構重要な点です。
焼き網がスチール製だと、使用後にきちんと洗ってもどこかしらサビが出てきて、結局ボロボロになって使い捨てになってしまいます。
逆にステンレス製の網だと、金たわしでガシガシやればコゲもきれいに取れますし洗っても錆びにくいので、メンテナンスさえきちんとしていれば半永久的に使えるんですよね。
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もし気になっている焚き火台がステンレス製の焼き網が付属していれば、その商品への好感度は爆上げで問題ないと思います。
以上のポイントを抑えた上で、その他のポイントとして「収納袋が付いているかどうか」、「収納サイズがどうか」、「オプションパーツが充実しているかどうか」など購入後のカスタムのことなどを考えながら意識していってもらえればいいのかなと思います。
ポイントを踏まえて実際に焚き火台を比較
最後に今までお話しした点を踏まえて5つの商品でどれがコスパが良いかという比較をしてみたいと思います。
【1】ユニフレーム(UNIFLAME) ファイアグリル
【2】スノーピーク(snow peak) 焚火台
【3】キャプテンスタッグ ステンレスヘキサゴンファイアグリル
【4】ロゴス ピラミッドグリル
【5】コールマン ステンレスファイヤープレイス
この5つの焚き火台のスペックを比較した表がこちら!
実際に市場で売れている順番は、売れている順に…
- ユニフレーム「ファイアグリル」
- キャプテンスタッグ「ヘキサステンレスグリル」
- スノーピーク「焚き火台」
==超えられない壁==
- ロゴス「ピラミッドグリル」
- コールマン「ステンレスファイヤープレイス」
やはり人気商品には人気なりの理由っていうのがちゃんとあるので、そのスペックと価格のバランスが良いユニフレーム「ファイアグリル」とキャプテンスタッグ「ヘキサステンレスグリル」は売れています。
3番目のスノーピークは、価格は高いのですが脚もステンレスできちんと耐久性があります。
性能的にパッとしない他の2つの商品は売れてないなという感じですね。
ファイアグリルは昔4,900円くらいで売ってたので、これで一気に人気がついたんですが、今値上げが続いていて7,500円まで上がってしまっています。
なので、その先行者優位で売れてた状態というのはもういい加減落ち着いてきて、そろそろ他の焚き火台に取って代わられてくるんじゃないかなと思っています。
実際に、商品の仕入れをやる時は今の感じで価格分の価値を分解して考えていきます。そうすると、売れるか売れないかという大体の予想はつくんですよね。
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ぜひ皆さんも、購入検討中の焚き火台があるのであれば今ご説明した内容を参考にして価値分析をしてみてください!
ちなみに比較しなかった「金型を使わない焚き火台」ですが、正直よくわかりません。
というのも、これらは商品は、そもそもの原価いくらとかの話ではなく、生産効率や人件費などの見えないところにコストがかかってるものなので、その独創的なデザインにたどり着くまでの間にかかった時間等を考えると「なんだこれ高いじゃん」とは間違っても言えないんですよ。
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ご自身で「この商品ならこの値段出しても良い」と思えるなら、誰もとやかく言う資格はないので自信を持って購入してください。
焚き火台の選び方まとめ
いかがでしたか?
焚き火台の選び方を、成形方法から素材の違いが押さえるべきポイントまで、現役業界人が詳しく説明いたしました。
キャンプのマストアイテムである焚き火台ですが、色々な種類が増えすぎてどうやって選べばいいのって困っている人も多いと思います。
お話しした点をおさえて見てもらうと、大きな失敗はなくなるんじゃないかなと思っています。
最後までご覧いただきありがとうございました。