当事者目線の障害福祉条例 神奈川県が「わかりやすい版」公表

黒岩知事(右から3人目)に県当事者目線の障害福祉推進条例の「わかりやすい版」を手渡すワーキンググループのメンバー=県庁

 神奈川県は24日、来年4月に施行する「県当事者目線の障害福祉推進条例」を誰もが分かりやすく理解できるよう、各条文や用語を平易に表現した「わかりやすい版」を公表した。条例制定の過程で意見交換を重ねた障害当事者の発案、主導で作成された。県は条例の理解を広げる有効なツールとして活用していく考えだ。

 条例制定作業の中で当事者から県に「役所の文章は硬くて分かりにくい」「障害者や支援者はもちろん県民、事業者が条例の内容を理解していないと具体性が伴わない」などの意見が寄せられた。

 そこで当事者らでつくるワーキンググループを今年8月に発足させ、条例制定作業と並行して「わかりやすい版」の作成を進めてきた。

 わかりやすい版では条例の前文と全27条、付則をそれぞれ平易に言い換え、振り仮名を付けた。「みんなで読める」をコンセプトに、できる限り一つの文を短くするなど読みやすさを追求した。一方で、当事者が知っておく必要がある「社会的障壁」や「合理的な配慮」などの用語は解説文を付けた上で、そのまま用いるなど実践的な内容にもなっている。

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