『損しないファミリーテントの選び方』を現役のアウトドア業界人キャンプレンジャーが玄人目線から詳しく解説いたします。これを読めばもうテント選びに失敗しない!これからキャンプを始めたいファミリーの方はもちろん、テント買い替えを検討されている方も必読です。
テントの選び方は難しい…
[ 画像が省略されました ]
「高いテントがすぐ壊れた」なんて失敗ありますよね。
これは、買う前の事前調査や商品のスペックを見れていない事が原因にあります。
今はブログやYoutube等で商品のレビューを気軽に投稿できる時代なので、少し調べればわかる情報も結構あります。
しかし、キャンプの予定が迫ってきていると、それなりに時間がかかる調査をするのは簡単なことではないですよね。
もしくは、「今日絶対テント買うぞ!」と購入するつもりでお店を訪問して、すぐにその場で決めてしまいたい場合もあると思います。
そういう時に、『テント選びの最低限のポイント』を押さえておけば、各テント毎の予備知識がなくても間違ってコスパの悪いテントを購入してしまうことは激減します。
まず一番大事な前提は、「値段が高い=高いテント」というわけではない!ということです。
例えば10万円するテントだったとしても、それに見合った素材を使用していれば適正価格となります。
本当に高い商品というのは価格設定が妥当ではない、要はコストパフォーマンスが悪い商品ということを言います。
コスパの悪いテントを間違って買ってしまわないように、今回は『最低限押さえておきたいポイント』を詳しく説明していきます。
テントの選び方の最低限のポイントを解説
それでは、テント購入前に最低限押さえるべきポイントを、実際にコールマン、ロゴス、キャプテンスタッグの3つのテントで詳しく説明していきたいと思います。
【参考テント1】キャプテンスタッグ エクスギアスクリーンツールームドーム 77,988円(税込)
【参考テント2】コールマン タフスクリーン2ルームハウス/MDX 68,000円(税込)
【参考テント3】ロゴス neos PANEL スクリーンドゥーブル 64,900円(税込)
[ 画像が省略されました ]
これを見て一番値段の高い【1】キャプテンスタッグが一番良いテントだと思った方、それは間違いです!
ちなみに、この3つのテントの中で売れている順番は、
1位:圧倒的にコールマン
2位:ロゴス
3位:キャプテンスタッグ(ただし2位のロゴスとはあまり変わらない)
となっています。
なぜこのような順位になるのか、詳しく説明していきます。
重要ポイント【1】適正サイズ
まずテント購入時は必ずサイズを見てください。
いくら安いテントでもサイズが合っていないと意味がない。
ファミリーキャンプを想定しているのに、1人用とか2人用のテントを買っても意味がないですよね。
そのため、そのテントが自分が求めている適正サイズかどうかを確認してください。
重要ポイント【2】生地&サイズ、ポールの素材+本数
テントの価格(原価)は、以下の4つで決まります。
- 生地の素材
- 生地のサイズ
- ポールの素材
- ポールの本数
実は「ベンチレーションなどの機能性」や「付属品(ハンマーやペグが付いている)」等はあまり価格には影響しません。
なので、必ず生地とポールは見るようにしてください。
<ポールはここをチェック!>
「使っている本数」と「アルミフレーム、グラスファイバーのどちらを使用しているのか」を比べてください。
- アルミ:ジュラルミンやDACポールもこの分類に当たり、グラスファイバーよりもアルミの方がポールの素材としては良いが価格は高い
- グラスファイバー:FRPと呼ばれることもある素材でアルミに比べて安価
アルミはグラスファイバーに比べて以下のように優位な点があります。
- 軽くしなりに強いので、折れてしまう心配がない
- グラスファイバーと違って接続部分に補強がないので、スリーブに通すときに引っかかって立てにくいということがない
ただし、アルミはグラスファイバーよりも高い素材なので、基本的にアルミポールを使っているテントは、グラスファイバーを使っているテントよりも1〜2万円くらい売価が上がってしまうという点を押さえてください。
<生地はここをチェック!>
ポリエステルの記事を使っている場合、「デニール」と「タフタ」を見てください。基本的にはこれらの数字の大きい方が強い生地となります。
- D(デニール)糸の太さ 65D〜210Dあたりが主流
- T(タフタ) 糸の密度 表記されていない場合もある
[ 画像が省略されました ]
本体にどのくらいの生地が使われているか、その生地のスペックがどうか、この2点が重要となります。
生地についてはもう1つ見るべきポイントがあります。それは「スカートがあるかどうか」。スカートが付いていると生地が増えるので値段は上がります。
重要ポイント【3】付属品
ポールと生地のポイントを押さえた上で、テントの付属品をチェックしてください。
例えば、インナーマットやグランドシート等が標準で付属している場合があり、付属品の内容で価格に差がでます。
※ちなみに、今回参考商品としてご紹介している3つのテントは、いずれもインナーマットとグランドシートは標準では付属していません。
重要ポイント【4】機能・ブランド・カラーなど
最後に細かい機能やブランドの好みで決めていきます。
機能というと、ベンチレーションの数、出入りできるドアの数、メッシュ開閉の可否、ランタンフックやダブルファスナー等です。
この点の好みは人それぞれなので、基本的にはまず「テントのサイズ」「ポール・生地」を把握してから、ブランドや機能などを他商品と比較してみていけばいいかなと思います。
テント選びの重要ポイントまとめ
ポイントをまとめます。
テント選びの重要ポイントまとめ
1. テントのサイズ:適正サイズかを確認
2. 原価について:使用生地と本体サイズ、ポール素材と必要本数が大事
3. 付属品を確認:インナーマット等付属の場合あり
4. 最後に機能や好み(ブランド、色など):大きくは価格に影響のない部分
ポイントを踏まえて参考テント3種のスペックをチェック
先ほどご紹介した「テント選びの押さえるべきポイント」を踏まえて、キャプテンスタッグ・コールマン・ロゴス3社の参考テントのスペックを見ていきます。
【1】キャプテンスタッグ エクスギアスクリーンツールームドーム 77,988円(税込)
- 生地:75D
- ポール:アルミ、3本使用
- サイズ:W460×D345×H200
[ 画像が省略されました ]
組み立てが簡単でポールが少ない分軽いです。
【2】コールマン タフスクリーン2ルームハウス/MDX 68,000円(税込)
- 生地:75D
- ポール:アルミ、5本使用
- サイズ:W 560×D340×H215
[ 画像が省略されました ]
サイズ感◎で、ベンチレーションが多いテントです。
【3】ロゴス neos PANEL スクリーンドゥーブル64,900円(税込)
- 生地:独自名称
- ポール:グラスファイバー、6本使用
- サイズ:W 520×D300×H205
[ 画像が省略されました ]
ちょっとポールを使いすぎかもしれません…。
<キャプテンスタッグ>のテントはちょっと厳しい…
先程の点を踏まえるとちょっと厳しいかなということです。
ポールはアルミを使っていますが、3本です。
立てやすさやメッシュの数は魅力的ですが、サイズ的には他のテントより小さい。
本来ならばコールマンより安いというのが適正価格なのかなと思います。
<ロゴス>のテントもちょっと厳しい…
ロゴスも厳しいですね。
一見するとコールマンより安価ですが、グラスファイバーポールを使用しています。
このサイズのテントでグラスファイバーポールを使用するのは、テントの重みにポールが耐えられないので破損のリスクがかなり高くなります。
これがいいテントを買ったのに壊れてしまうというケースにつながる例です。
総合すると<コールマン>が一番良いテント
総合するとコールマンがアルミポールを使用していて、サイズや機能、価格面で一番バランスがいいテントだと思います。
なぜこのようなスペックと価格のバランスが崩れるのか
どうしてこんなことが起こるのかということにも軽く触れておきます。
主な要因としては商品の原価以上にメーカーもしくは工場が利益を取っているということ。その理由は色々ありますが、人件費や品質管理、ブランド維持コスト等が考えられます。
他テントの選定にも応用可能
今説明した考え方は他のテントにも応用できます。
例えばDODのカマボコテントはかなり人気ですが、こちらはアルミポール使用で150Dの生地を使っています。
サイズは640cm×300cm×195cmの超大型サイズ。
それにもかかわらず、価格は65,000円(税込)なのでコストパフォーマンスはかなり高い。
それを分かっているお客さんはDODのテントを買いに行くので、それがDODの人気の理由ですね。
このカマボコテント、今でこそ6万円を超えてきますが、販売当時は4万円だったのでお値打ちですね。
[ 画像が省略されました ]
爆発的に人気になったのも納得です。
失敗しないファミリーテントの選び方まとめ
今回は「損しないテントの買い方」をちょっと詳しくご説明させていただきました。
これらのポイントさえ押さえておけば、予備知識がなくてもコスパの低いテントを買ってしまうケースがかなり減らせます。
お店やネットで検討しているときにも是非参考にしていただきたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!