美しく壊れていくダイアナが見せるダンス 「スペンサー ダイアナの決意」本編映像

劇場公開中の、クリステン・スチュワートがダイアナ元妃を演じアカデミー主演女優賞にノミネートされた映画「スペンサー ダイアナの決意」から、ダイアナが美しく壊れゆくシーンを切り取った本編映像が公開された。

映像で描かれるのはすべてダイアナの幻想。王室に閉じ込められている自分を表現して踊るダイアナの姿が映し出されている。黒いドレスを着たダイアナは屋敷の廊下でどこか投げやりに踊り、寂し気な表情を見せる。そして、赤や白のドレスで軽快なステップを踏みながら踊る姿が描かれたあと、映像は過去のダイアナを映し出し、子供から大人になるまでダイアナが力いっぱいに走る様子が見て取れる。それから映像は、苦しいクリスマスを過ごす1991年のダイアナの姿となり、チャールズが不倫相手と自分に贈ったおそろいのパールネックレスを力いっぱい引きちぎろうとする。

実際にダイアナは幼い頃よりバレエを習っており、ダンスを愛していたという。プリンセスという立場のため、自由に踊ることすらできなかったダイアナ。張り詰めた心を解きほぐす手段として、宮殿の片隅で踊っていたことがあったかもしれないと想像させるシーンとなっている。

監督のパブロ・ララインは「ダイアナのキャラクターを作っていく上で常に心掛けていたことは、彼女がもつミステリアスな面と脆い面をバランスよく捉えて、彼女の内面的な世界を作り上げることだった。そして彼女の心理を反映させた幻覚や記憶、恐怖や欲望などの要素を描くことによって、美しさを兼ね備えた彼女の特別な“繊細さ”を表現したかった」と語っている。

「スペンサー」は、夫の不倫、王室の異様な抑圧、マスコミに追われる日々に憔悴し、精神不安定なダイアナが、決死の覚悟で家族と過ごした最後のクリスマス休暇を描いた作品。ダイアナを演じるのは、「トワイライト」シリーズなどのクリステン・スチュワート。チャールズ皇太子を「風の勇士 ポルダーク」のジャック・ファーシングが演じる。その他に、ティモシー・スポール、サリー・ホーキンス、ショーン・ハリスらが顔をそろえる。「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」のパブロ・ララインが、監督を務めている。

Photo credit:Claire Mathon

【作品情報】
スペンサー ダイアナの決意
全国公開中
配給:STAR CHANNEL MOVIES
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