11月4日より劇場公開される、9歳で失明、18歳で聴力を失いながらも世界で初めて盲ろう者の大学教授となり、東京大学の教授として教鞭をとっている福島智さんの、幼少期から大学受験までの姿を描いた映画「桜色の風が咲く」から、12年ぶりの主演作で息子を支える母・令子の強さを体現している小雪が出演するシーンの、本編映像が公開された。
映像では、3歳の時に右目を失明し、徐々に左目の状態も悪くなり、小学校に行くことを医者から止められて退屈している智が、母に文句を言う場面から始まる。目に悪いためテレビを禁じられた智はラジオで落語を聞き、クレヨンで絵を描く。「川上から靴とキュウリが流れてきました。靴に入ったキュウリは、靴が小さかったためキュウクツ、キュウクツ といいました」と話す智。「今度はタイが流れてきました。タイも靴の中に入り、“タイクツ、タイクツ”と言いました」と、令子がにこやかに続ける。そんなユーモアを忘れない母子の姿が捉えられている。
一方で、病院でのシーンでは、智の左目の病状は悪化していることがわかり、「眼圧の高い状態が続いていて危険です、すぐに入院したほうがいいでしょう」と医者から告げられる令子の姿が収められている。そして令子は、「万が一のことも、覚悟してください」という医者の言葉に、戸惑いの表情を見せる。
公開された本編映像やそのあとの予告編は、日本語字幕付きのバリアフリー版となっている。劇場公開時には、上映中の画面にセリフ、人物の名前、環境音といった音の情報を字幕で表示する日本語字幕付き上映を通常より期間を長く設定。上映劇場すべての回でスマートフォンアプリ「UDCast」を使用した日本語字幕、音声ガイドも利用できる。また、「盲ろう者用シナリオテキスト」「点字シナリオテキスト」の、公式ホームページでの配布も予定している。
【作品情報】
桜色の風が咲く
2022年11月4日（金）シネスイッチ銀座、ユーロスペース 他全国順次ロードショー
配給：ギャガ
©THRONE / KARAVAN Pictures
