コロナ警戒レベルを維持 無症状者の無料検査延長 栃木県対策本部

コロナ対策について説明する福田知事=25日午後、県庁

 栃木県は25日、新型コロナウイルス対策本部会議を開き、新規感染者数が増加傾向にあることなどから、警戒度を5段階で真ん中の「レベル2(警戒を強化すべきレベル)」で維持することを決めた。会議後の記者会見で福田富一(ふくだとみかず)知事は「社会経済活動の活発化で接触機会が増え、感染者数の増加傾向が継続する可能性がある」として感染対策の徹底を呼びかけた。

 新規感染者数は今月中旬以降、前週の同じ曜日を上回る日が多くなっている。病床使用率も上昇し、24日時点では19.6%と半月ぶりに20%が近づく。冬にはインフルエンザとの同時流行が懸念されることも踏まえ、警戒度レベルを維持する。

 薬局などで行っている無症状者対象の無料検査は10月末を期限としていたが、当面の間、継続する。

 一方、臨時医療施設は利用率の低さなどから、県南(50床)と安足(19床)の2施設を休止し、県央(33床)だけ運営を続ける。

 県が17日に設置した「後遺症相談センター」には、23日までの1週間に計45件の相談があった。症状別では倦怠(けんたい)感・疲労感が最多で11件、せきが5件。年代別では20~30代が最多で13件、40~50代が10件と続いた。

 9月26日から感染者の全数把握を簡略化した結果、今月24日までの1カ月間に医療機関から提出された発生届は1652件で、この間の新規感染者全体の約1割に抑えられたという。福田知事は「医療機関は発生届の入力作業が減って負担が軽くなり、保健所もリスクの高い人への対応に集中できているようだ」と評価した。

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