「素敵な方が多くて、こういう結婚式になっちゃいました」地元愛が溢れる結婚式式場は…廃校になった小学校=静岡・牧之原市

10月22日、静岡県牧之原市で一風変わった結婚式が行われました。式場となった場所は、ふだん式を挙げるような場所ではありません。

<会場アナウンス>

「続きまして新婦結子さんがお父様と入場です」

10月22日の土曜日、静岡県牧之原市で地元出身の鈴木克哉さん夫妻の結婚式が開かれました。

この結婚式、どこで行われたかというと…廃校になった小学校です。5年前に廃校になった牧之原市立・片浜小学校。会議室や宿泊施設などとして活用されていますが、結婚式場になったのは初めてです。

<新郎 鈴木克哉さん>

「普通はこの地域だと、浜松とか静岡でやるんですけど、ここ(牧之原)の街づくりに携わっていくうちに本当に素敵な方々が多くて、こういう結婚式になっちゃいました」

結婚式にかかる数百万円という費用を、せっかくなら地元に落としたいと考えた鈴木さん。鈴木さんは建築家でもあり、式場は手作り。また、おもてなしの料理なども「自前」かつ「地元」でまかなっています。

<牧之原市のホテルの元料理長 時見直幸さん>

「(家庭科室の火は)弱かったりしますので炭を使ったりだとか、そういうところを工夫して調理しています」

料理に使う野菜もすべて牧之原産。イセエビやパンは隣町の御前崎産という徹底ぶりです。披露宴でお馴染みのゴンドラの代わりに高所作業車。新郎自ら操作して5mの高さまで上がり、会場は歓声に包まれました。

お手製の披露宴のフィナーレには、山車(だし)にみたてた車を参列者がひきまわし、2人を祝福しました。

<新郎 鈴木克哉さん>

「小学校で、ここまで大人な結婚式をするという、やりたい事はやり尽くした。本当に満足しています」

<新婦 結子さん>

「子どもに戻ったような結婚式ができたなと思います」

「地元で結婚式を挙げたい」。そんな純粋な願いを知恵と人脈で、つくりあげてしまった鈴木夫妻でした。

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