倉敷鳥インフル 17万羽処分開始 岡山県 高病原性疑いウイルス検出

鳥インフルエンザが発生した養鶏場で始まった殺処分の作業=28日、倉敷市(岡山県提供)

 岡山県は28日、倉敷市の養鶏場の鶏から検出された鳥インフルエンザウイルスについて、遺伝子検査の結果、高病原性が疑われるH5亜型だったと発表した。県は家畜伝染病予防法に基づき、養鶏場で飼育されている採卵鶏約17万羽の殺処分を開始した。1日6万羽をめどに処分し、3日間での終了を目指す。

 国内の養鶏場での発生は今季初めてで、10月に確認されたのはこれまでで最も早いという。国は感染した鶏の遺伝子解析を行い、より詳細なウイルス型の特定を進める。同日、農林水産省の担当者が現地入りし、感染ルートの解明に向けた調査に着手した。

 県によると、殺処分は午前7時に開始。防護服を着用した県職員と県の要請で派遣された陸上自衛隊日本原駐屯地(同県奈義町滝本)の隊員ら延べ約800人が24時間態勢で作業に当たっている。同日午後3時現在で全体の11.4%に当たる1万9368羽を処分した。

 感染した鶏が確認されたのは養鶏場の鶏舎5棟のうちの1棟で、処分した鶏は同市内で焼却する。

 県はウイルス拡散を防ぐため、半径3キロ圏内の2農場(約25万羽)に鶏や卵の移動制限、3~10キロ圏内の6農場(約86万羽)には圏外に持ち出せない搬出制限をかけた。いずれも飼育鶏の異常などは見つかっていないという。周辺の4カ所には畜産関係車両の消毒ポイントも設置した。

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