箱根・星の王子さまミュージアム、来年3月末閉園へ コロナ禍で来場者減少、建物老朽化も影響

来年3月末の閉園が発表された星の王子さまミュージアム=28日、箱根町仙石原

 箱根町仙石原の観光施設「星の王子さまミュージアム」の運営会社TBSグロウディア(東京都)は28日、新型コロナ禍による来場者の減少や建物老朽化を理由に、同ミュージアムを来年3月末に閉園すると発表した。フランスの作家で飛行家のサン=テグジュペリ代表作の世界観やフランスの街並みが楽しめる施設の閉園に、来場者からは「ショックが大きい」などと嘆きの声が上がった。

 同ミュージアムは、サン=テグジュペリ生誕100年を記念し、1999年6月29日に開園した。園内には、小惑星に暮らす小さな王子が、旅を通じて人々と交流する作家の代表作「星の王子さま」(1943年)の紹介や、作家の生涯をまとめた展示ホール、作中に登場するバラをモチーフにしたローズガーデンなどが人気を集めた。

 同社によると、開館以降の来場者数は2018年度の約23万4千人をピークに、昨年度は約12万8千人まで減少。コロナ禍の20年には約2カ月の休園もあり、「近年箱根で自然災害が発生していたさなか、新型コロナ禍が経営に追い打ちをかけた。開園から23年たち、建物も老朽化するタイミングで閉園の決断に至った」と説明する。

© 株式会社神奈川新聞社