中国電力 家庭用規制料金値上げへ 来春念頭に準備、燃料価格高騰で

中国電力本社

 中国電力(広島市中区)は28日、家庭用電気料金のうち国の認可が必要な「規制料金」について来年4月の値上げを念頭に準備を進めていると明らかにした。燃料価格の高騰などで経営環境が厳しさを増しているためで、規制料金の値上げが実施されればオイルショックの影響を受けた1980年以来。認可が不要な企業向け料金の同月からの値上げも発表した。

 家庭用は来月、国に申請する予定で、値上げ幅などの詳細は今後精査するという。記者会見した滝本夏彦社長は「電力の安定供給に支障を来しかねない切迫した状況。資源価格の高騰の影響を当社単独で抱え続けるのは難しく、理解いただければ」と述べた。

 火力発電の燃料に使う液化天然ガス(LNG)や石炭の価格の高騰などで、28日に公表した同社の2022年9月中間決算(連結)の純損失は560億1500万円となり、過去最大の赤字を計上した。通期では赤字額が1390億円に膨らむ見通しとなっており、9月中旬に個人、法人を問わず全ての料金値上げの検討に着手する方針を示していた。

 工場やスーパーといった企業向けの高圧、特別高圧は、高圧では基本料金単価を1キロワット当たり264円、特別高圧では同132円プラスの料金になる。契約種別ごとのモデルケースでは、約16~17%値上げになる試算とした。

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