九州高校野球 海星、逆転サヨナラ負け 全3戦1点差 “夏春”甲子園ほぼ手中

【準決勝、海星-沖縄尚学】5回表海星2死、田中が左越え本塁打を放つ=コザしんきんスタジアム

 海星が46年ぶりの“夏春連続”甲子園へ前進。逆転サヨナラ負けで決勝進出こそ逃したものの、3試合連続で他県1位校と好ゲームを演じ、7年ぶりの選抜切符をほぼ手中に収めた。加藤監督は「もっともっと長崎を盛り上げたかったから悔しい。1点差のゲームを3試合できたのは非常に良かった」と振り返った。
 惜しかった。6-5で迎えた九回の守備。1死一、二塁で左中間の打球に中堅山口が飛びついたが、わずかにグラブからこぼれた。次打者を2球で追い込んだが、6球連続ファウルから痛恨のサヨナラ打。主将の捕手田川は、七回に暴投で1点献上していたことに触れて「本当はワンバウンドを投げさせたかった…。自分のせい」と嘆いた。
 それでも、初回3失点の嫌な流れを打ち破って一時逆転したチーム。完全アウェーの雰囲気でも、先に決勝進出を決めた長崎日大の選手たちの応援、その存在も力に変えて最後まで健闘した。
 夏の甲子園16強で例年に比べて新チームの始動が遅れた中、それを「言い訳にしたくなかった」(田川)。県大会から厳しい試合を重ねながら成長。加藤監督は課題も口にした上で「夢のようなベスト4」とも言った。
 今後は厳しい冬のトレーニングを積んで1月下旬の吉報を待つ。五回の一発をはじめ、2試合連続で3安打と奮起した1年生田中は「この悔しさを、どれだけ練習で埋めていけるか」とさらなる飛躍を誓っていた。


© 株式会社長崎新聞社