鳥インフル発生想定し対策本部 長崎県、防疫体制を確認 壱岐では作業演習

ニワトリをゲージから出す職員=壱岐市芦辺町、壱岐家畜保健衛生所

 長崎県は28日、県内の大規模養鶏農場で高病原性鳥インフルエンザの疑い例が発生したと想定し、総合対策本部会議を開き防疫体制を確認した。
 同日、北海道と岡山県の養鶏場で今季初の鳥インフルの陽性が確認された。副本部長の平田修三副知事は会議冒頭「いつどこで発生するか分からない。各自の役割を再認識し、万全の対策をお願いしたい」と述べた。
 会議は冒頭を除き非公開。県によると、県、国、県警、陸上自衛隊の計26人が参加し、10万羽を超える大規模農場で疑い例が発生したと想定。「対応マニュアル」に基づき机上演習を実施した。農家からの異常通報、防疫計画の作成、資材調達、作業員動員と移動手段の確保などについて関係機関が連携体制を確認した。
 一方、県壱岐振興局は26日、鳥インフルエンザ防疫演習を壱岐市の壱岐家畜保健衛生所で実施した。職員が防護服を着用し、ゲージからニワトリを出して運搬。殺処分や袋詰め、消毒作業などの流れを確認した。
 県によると、県内では今年2月時点で、養鶏農家106戸が約491万5千羽を飼育。鳥インフルの発生シーズンは渡り鳥が飛来する11月ごろから本格化し、翌年3月ごろまで続くという。これまで県内の養鶏場での発生はない。

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