王将社長射殺事件の田中容疑者、異例の「厳重移送」 防弾車両で11時間以上かける

報道陣に囲まれ山科署に入る田中容疑者を乗せた捜査車両(29日午前4時9分、京都市山科区)=画像の一部を加工しています

 「餃子の王将」を展開する王将フードサービス(京都市山科区)の大東隆行社長=当時(72)=を射殺したとして、殺人と銃刀法違反の疑いで特定危険指定暴力団工藤会系石田組幹部の田中幸雄容疑者(56)が逮捕された事件で、京都府警・福岡県警合同捜査本部は、田中容疑者(56)を服役していた福岡刑務所(福岡県宇美町)から移送した。暴力団組織などからの襲撃に備えながら車で11時間以上かけて移動。捜査本部を置く山科署に到着したのが未明の29日午前4時過ぎとなる異例の移送となった。

 田中容疑者を乗せた捜査車両は28日午後4時50分ごろ、福岡刑務所を出発。捜査本部のある山科署までの約650キロを約11時間20分かけて移動した。府警によると、襲撃に備え防弾仕様の車両を使った。大きなトラブルはなく、田中容疑者は移送途中、警察施設で食事を取ったという。

 報道陣約100人が集まった山科署に捜査車両が到着するとカメラのフラッシュが一斉にたかれ、後部座席中央で正面を向いていた田中容疑者はまぶしそうなそぶりを見せていた。

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