第9戦鈴鹿で3位の佐藤蓮、SF初表彰台もさらなる高みを目指す「もっと良い成績が出せるように」

 10月29日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権第9戦の決勝レース。TEAM MUGENのワン・ツーフィニッシュに続き、3位表彰台を獲得したのは、今季スーパーフォーミュラデビューとなった佐藤蓮(TEAM GOH)だった。嬉しい初表彰台となった佐藤がレースを振り返った。

 2018年に全日本カート選手権の最高峰であるOKクラスのチャンピオンを獲得し、2019年にはFIA-F4でもチャンピオンを獲得するなど、数多くのタイトルを獲得してきた佐藤は、2020年にフランスF4で海外修行を積んだ後、2021年には国内復帰。全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権で印象的なスピードをみせ、2022年にスーパーフォーミュラのシートを掴んだ。

 レッドブルカラーをまといシリーズに臨んだ佐藤は、同じくルーキーである三宅淳詞とともにTEAM GOHから参戦し、協力し合いながらセットアップ向上に臨んできた。第1戦富士ではいきなり予選2番手につけるなどスピードをみせてきたが、なかなか思うように上位フィニッシュを果たすことができず、三宅が先に得意のオートポリスで行われた第4戦で初表彰台を獲得していた。

 そんななか臨んだ第9戦/第10戦鈴鹿の週末。佐藤は10月29日に行われた第9戦の予選で、Q1からQ2へのコンディション変化には対応しきることはできなかったものの、「自分のなかで出し切ることができました」と9番手につける。

 決勝では1周目に8番手、2周目には7番手にポジションを上げ、19周目にピットイン。その後は高いペースで27周目に関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)をかわすと、同じホンダの育成出身ドライバーである大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)とバトルを展開した。

「スクールではよく大湯選手と同じようなバトルをしていたので、少しヒヤヒヤでした(笑)」という佐藤は、130Rや日立Astemoシケインで接触スレスレの戦いを演じる。「130Rではアウトから行って、多少ラインは残してくれるかと思いましたが、寄せられてしまったので、シケインでクロスラインを狙いました。ただ真後ろではダウンフォースが抜けてしまって。少しロックアップしたので、そこは反省ですね」というバトルを展開しながらも、29周目に大湯をオーバーテイク。3位表彰台をつかみとった。

 今回表彰台に繋がったポイントとして佐藤は「アウトラップのペースが非常に良かった」ことを挙げる。フロントの入力を強くし、タイヤの発熱が早くなるセットアップで臨んだことで、順位を上げることに成功したと分析した。また、鈴鹿は「マイレージとしてもいちばん走っていますし、他のドライバーの皆さんと比べても負けてないくらいバトルの経験はあるので、躊躇せずいくことができました」というコースだ。

 レース後、初表彰台ということで笑顔をみせた佐藤だったが、もちろんまだまだ目指す高みは先にある。「三宅選手も早い段階で表彰台に乗っていたので、僕も今季最低でも表彰台に乗らなければと思っていました。今回乗ることができて良かったです」と言いながらも、早くも10月30日の第10戦を見据えるコメントを残した。

「もちろんこの結果だけで満足はできませんが、ひとまず表彰台を獲ることができたので、クルマを下りてすぐは安堵する気持ちもありました。でも今は切り替えて、もっと良い成績が出せるように考えています」と佐藤。

「明日も着実に予選で5番手以内につけることができれば、このペースがあれば優勝も見えてくると思っています」

 そのナチュラルなスピードは誰もが認める存在。初表彰台は遅かったくらいだ。三宅とのルーキー・オブ・ザ・イヤー争いについてもあまり意識せず、あくまで勝利を目指している。今回の表彰台をきっかけに、第10戦をさらに盛り上げてくれる存在になるかもしれない。

2022スーパーフォーミュラ第9戦鈴鹿 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)と争う佐藤蓮(TEAM GOH)

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