九州高校野球 長崎日大「準V」 沖縄尚学に逆転負け

 第151回九州地区高校野球大会最終日は29日、沖縄県沖縄市のコザしんきんスタジアムで決勝が行われ、長崎日大は沖縄尚学に5-8で逆転負けした。沖縄尚学は17季ぶり5度目の優勝で、全国10地区の代表校で競う明治神宮大会(11月18~23日・神宮球場)の出場権を得た。
 長崎日大は初回に豊田の左越え2ランで先制すると、三回に平岩の中前適時打で1点を加えた。四回に集中打を浴びて追いつかれたが、直後に下坂の右中間適時三塁打で4-3と勝ち越し。しかし、七回に再び連打を許して4-6と逆転され、九回にも2点を失った。その裏、豊田の中前適時打で反撃したが、一歩届かなかった。
 今大会は春の選抜大会(甲子園)への出場4校を選ぶ重要資料で、長崎日大の選出は確実。県勢は4強の海星も準決勝で逆転サヨナラ負けと善戦しており、初の2校出場となる可能性が高い。出場校は来年1月27日に発表される。

【決勝、沖縄尚学-長崎日大】1回裏長崎日大1死一塁、豊田が左越えに2点本塁打を放つ=コザしんきんスタジアム

◎課題と手応え・収穫の秋 豊田、初回先制2ラン
 長崎日大は沖縄尚学に逆転負けで準優勝。平山監督は「1点で抑えないといけないところで2点3点となると苦しい」と敗因を挙げた一方で「攻撃は上出来。九回の1点も、負けたくないという思いが出ていた」。自身が主将を務めた1997年春以来の優勝こそ逃したが、課題と手応えの両方を手にした収穫の秋に充実感を漂わせた。
 序盤3回は先発廣田の緩急が決まって9人で切り抜けた。ただ、2巡目以降、今大会2本塁打を含む打率7割超の沖縄尚学の知花を止められなかった。四回に先頭で安打を許して3点差を追いつかれると、4-3の七回は同点二塁打を浴び、九回は申告敬遠で勝負を避けた後、次打者に致命傷となる2点打を浴びた。
 それでも、西尾と廣田を軸に与四球が少ない絶対条件を備え、今大会で登板した内藤、三丸らを含めて投手陣は豊富。悔しさを味わった一球の重みを胸に、激しい部内競争を重ねながら冬場の体重増などに励む。
 攻撃陣は今大会4試合で計43安打。この日も初回に3番豊田が左越え2ランをたたき込み、四回は9番下坂が右中間適時三塁打と打順に関係なく得点できる力を披露した。九回は平山監督の言葉通り、ここまでやや本調子を欠いていた平尾の長打から意地の得点。今春の甲子園でも中軸を任された主将の、今後へつなげる一打だった。
 目標の優勝には届かなかったものの、2年連続選抜出場は決定的。豊田は「今回決勝まで上がれたことは忘れて、また一からチームづくり。全ての底上げが必要。我慢できた方が勝つ」と待望の春へ再出発を誓っていた。


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