障スポ出場の家族を応援 地元高校生は運営サポート

選手に矢を手渡すボランティアの高校生(右)=30日午前、那須烏山市緑地運動公園多目的競技場

 第22回全国障害者スポーツ大会「いちご一会とちぎ大会」(障スポ)2日目の30日、県内の各競技会場には選手の家族のほか、子どもたちらが応援に駆け付けた。地元高校生がボランティアとして運営を支える姿もあった。新型コロナウイルスの感染者数が高止まりする中、感染対策にも細心の注意が払われた。

 本県と札幌市のサッカー(知的)準決勝が行われた真岡市の市総合運動公園では、本県選手の関係者やサッカークラブの子どもたちら約180人が観戦した。選手が好プレーを見せると、観客からは大きな拍手が送られた。

 出場した次男の応援に駆け付けた市貝町市塙、派遣社員原田和典(はらだかずのり)さん(54)は「今まで練習してきたことを発揮できるよう思いきりプレーしてほしい」とスタンドからエールを送った。

 茂木町のサッカークラブ「おおぞらSC」は所属する幼児と児童15人で訪れた。益子小5年滝真翔(たきまなと)君(11)と七井小5年清水圭登(しみずけいと)君(11)は「どのようにトラップやドリブルするのかを見てみたい」と口をそろえた。

 那須烏山市緑地運動公園多目的競技場でのアーチェリー競技では、同市内や近隣市町の高校生約70人が競技補助員として運営に協力。的に刺さった矢を抜いて選手に戻す「矢取り」、スコアの確認と記録、会場設営などに終日活躍した。

 烏山高2年磯野鈴奈(いそのれいな)さん(17)は「障スポの手伝いはなかなか体験できず貴重。選手の皆さんはとても優しく接してくれる」と声を弾ませた。矢板東高1年沢向陽斗(さわむかいはると)さん(16)は「選手の皆さんの表情が明るく、競技を本当に楽しんでいる様子が印象的。雰囲気を壊さないよう、しっかり手伝いたい」と表情を引き締めた。

 施設や競技の特性を踏まえ、新型コロナ対策も講じられた。足利市の足利スターレーンで行われたボウリング(知的)は、正式競技の中で唯一の無観客となった。選手が座るボックスの間にビニールのついたてを設けた。選手は全日本ボウリング協会の方針に基づきマスク姿で競技に臨んだ。

 福岡県の出水和幸(いずみかずゆき)監督(59)は「観覧を望む保護者もいたが、大会を開催できることが一番。騒がしくならないので自閉症の選手にとっては集中できる」と前向きに捉えた。

サッカー(知的)準決勝の会場で選手に拍手を送る観客=30日午前、真岡市小林の市総合運動公園

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