春の高校バレー県予選特集 バレーボール男子(1) 3年生を中心に一体となって連覇目指す大分工業 【大分県】

全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)の県予選が5日から始まる。男子は18校が出場。今夏の全国高校総体に出場した大分南が第1シード、前大会優勝の大分工業が第2シードとなる。この2強を軸に、第3シードの鶴崎工業、第4シードの佐伯鶴城、そして4大会ぶりの優勝を目指す別府鶴見丘が追う展開となりそうだ。第1回は3年生が強い思いでチームを支える大分工業を紹介する。

「3年生全員が戦力」と言い切る江崎裕之監督。今年のチームは10人の3年生のチームワークがよく、誰がコートに立ってもベンチメンバーになった選手が全力でサポートする。キャプテンの相良琉翔(3年)は「練習から話し合って、それぞれの良いところ悪いところがあれば指摘できる。みんなで勝つ、みんなでうまくなりたいという雰囲気がある」と一体感を口にする。

6月の県高校総体は、3人のミドルブロッカーがけがで本調子とは程遠く、強みとしていたブロックが機能せずに決勝で敗れた。江崎監督は「けがは言い訳にできないが、焦りから崩れ、勝負から逃げた。3年生の自覚が足りなかった」と厳しく指摘し、3年生の奮起を促した。夏休みは県外の強豪校と練習試合を多く組み、勝つためのバレーを追求したことで状況に応じたポイントの取り方を実戦経験で得た。

大会を前にチームの完成度は高まり、相良は「昨年は先輩に春の高校バレーに連れて行ってもらったので、今度は自分たちが後輩を憧れの場所に連れて行く番。予選の初戦から隙を見せず、一気に勝ち上がりたい」と意気込みを語った。連覇に向けて、3年生を中心に一体感が生まれている。

3年生がチームを引っ張る大分工業

戦力評価(10段階)

スパイク力 10

サーブレシーブ力 8

レシーブ力 8

サーブ力 8

ブロック力 10

セッターのトスワーク 9

大分工業の好調のバロメーターとなるのがブロック。高さをスピードで補い、ブロックとレシーブが一体となったシステムで相手にスパイクを簡単に打ち込まれることはない。ブロックを機能させ、チームに勢いを持ち込みたい。

攻撃は、相良を中心にサイドから硬軟のスパイクでポイントを重ねる。昨年からレギュラーとしてトスを上げるセッターの上甲正一郎(3年)に加え、堺敦矢(同)も遜色ないトスワークでスパイカー陣の実力を引き出すことができるようになったことが戦力の上積みとなった。江崎監督は「この大会は3年生の大会。今更バタバタしても仕方がない。3年生が普段通りのプレーができれば問題ない」と全幅の信頼を寄せている。

県予選に向けて仕上がりは良好

(柚野真也)

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