11月1日「犬の日」 みんなの“ハッちゃん”元気の源! ファンクラブ会員とお散歩

柴犬のハッちゃん(左)と“お付き”の人たちがそろい、のんびりと朝の散歩=長崎市総合運動公園

 「わが家の柴犬、ハチ(雄、4歳)はファンクラブもあるんですよ。会員は国内外に50人以上」。飼い主の堤俊明さん(80)、国枝さん(80)夫妻=長崎市小江原3丁目=から、本紙情報面の人気コーナー「アイらぶペット」に1通の手紙が届いた。“みんなのハッちゃん”を先頭におしゃべりしながら散歩するのが会員らの元気の源だ。きょう11月1日は犬の日-。

国内外に50人以上の会員がいる柴犬のハチ

 ファンクラブの名称は「ハッちゃんクラブ」。会員は、堤さんと同世代の住民やその子ども、孫世代が中心。同市柿泊町の市総合運動公園で、ハチの後ろを5、6人が従って歩く。リードは、まだ若いハチのペースに付き合える67歳の永木富士子さんが握る。
 約30分ほど歩いた後は、会員が代わる代わるハチに水やおやつをあげ、マッサージに歯磨きまで、フルコースでお世話する。「ハッちゃんになりたかねぇ」「ほんとほんと」。毎朝約1時間の笑顔の交流は、すっかり会員らの日常となった。
 活動は約1年前から。愛犬チロを亡くした永木会長がよく似たハチを公園で見かけて声をかけ、一緒に散歩したのがきっかけだった。犬よりも人が好きで、つぶらな瞳で顔をのぞき込んでくる愛くるしい表情のハチ。永木さんが一緒に歩いている姿に近所の人たちも少しずつ加わり始めた。中には、今まで犬に触れなかった人も心を奪われるほど。永木さんは「みんながハチのことを自分ちの犬だと思って溺愛しているんです」と顔をほころばせた。
 近所に住んでいながら、ハチを通して知り合った人々との交流。今ではお茶会やバーベキューも開くなど堤家はサロンのようになった。10月には3ページの「旅のしおり」も作り、3夫婦で大分・湯布院への1泊旅行も。旅行団長や会計、ハチ担当など役割もしっかり決めて親睦を深めた。
 「退職後はなかなか人との新しいつながりがなく、高齢だと薬、病気、年金の、3点セットの話になりがち」と国枝さん。「楽しい話がしたいから、明日も散歩に行くために、ずっと元気でいないとね」


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