転落した男性を親子で“救命リレー” 橋本さん家族に感謝状 長崎・新上五島署

感謝状を受けた(前列左から)橋本隼さん、龍星君、拓海さん、(後列左から)賢司さん、裕美さんと岡田署長=新上五島署

 新上五島署は19日、人通りの少ない屋外で倒れていた高齢男性を救出したとして、長崎県新上五島町相河郷、会社員、橋本賢司(けんじ)さん(48)ら家族5人に署長感謝状を贈った。岡田和重署長は、家族の連携による“救命リレー”をたたえた。
 感謝状を受けたのは賢司さんのほか、妻裕美(ひろみ)さん(48)、長男拓海(たくみ)さん(15)=県立上五島高1年=、次男隼(はやと)さん(12)=町立上五島中1年=、三男龍星(りゅうせい)君(10)=同青方小5年=。
 同署などによると、8月28日午後4時50分ごろ、隼さんと龍星君が相河郷公民館近くの通路から約1メートル下の法面と建物外壁の間に、高齢男性がうめき声を上げ、挟まっているのを発見。隼さんが自宅に助けを求めに行く間、龍星君は男性に声をかけて励ました。
 現場に着き、自ら救出するのは危険と判断した賢司さんは、首に巻いていたタオルを男性の顔と地面の間に差し込み、気道を確保。裕美さんは119番通報し、拓海さんが現場まで救急隊員を誘導した。
 男性は軽傷を負ったが、命に別状はなかった。同署によると、転落後、数時間が経過していたとみられるが、発見が遅れていたら命に関わった可能性もあったという。
 拓海さんは「両親が冷静に落ち着いて行動していたので、自分たちも安心して行動できた」、賢司さんは「男性が無事でよかった。感謝状を頂くのは、子どもたちにとって何よりの経験。家族みんなで地域貢献に努めたい」と話した。


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