元妻に怒り、家族6人にも…灯油入れた袋準備、元妻ら住む実家に放火 元夫が認める 弁護士「袋は自殺用」

さいたま地裁=さいたま市浦和区高砂

 昨年2月、元妻ら7人が住む家に火を付けて殺害しようとしたとして、現住建造物等放火と殺人未遂の罪に問われた埼玉県川越市、無職の男(47)の裁判員裁判の初公判が10月31日、さいたま地裁(小池健司裁判長)で開かれた。男は「間違いありません」と起訴内容を認め、弁護人は心神耗弱だったとして減刑を求めた。

 冒頭陳述で検察側は、男と元妻の関係が悪化し、元妻らが実家に転居したことなどから、「妻や一緒に住む人らに怒りを募らせた」と指摘。犯行当日、灯油を袋などに詰め、家の周囲に置き、持参したライターで袋に火を付けたが、元妻らは火に気付いて避難したとした。

 一方弁護側は、男は適応障害や遷延性抑うつ反応だったと説明。「灯油などは自殺のために準備したもので、計画性のない衝動的な犯行だった」などと主張した。

 起訴状などによると、男は昨年2月10日午前2時51分ごろ~4時23分ごろまでの間、元妻や娘など7人が住む川越市内の木造2階建て住宅の周りに灯油をまくなどし、ライターで火を付けて住宅を全焼させ、7人を殺害しようとしたとされる。

© 株式会社埼玉新聞社