534本の木の製作だけで71時間超!画用紙で懐かしの「ポケモン金・銀」の街、道路を再現

1999年に発売されたゲーム「ポケットモンスター金・銀」で登場する最初の街と道路「ワカバタウン~29番道路」を、画用紙などで再現した投稿がツイッターで注目を集めている。

ゲームボーイ画面に映っていたドット絵マップがジオラマになった。画用紙、厚紙を切り貼りし製作された建物、木、草むらが作中通りに並ぶ。紙製品だけでは湿度などの影響で地面がしなってしまうため、発泡スチロールのようなカラーボードを土台に、不規則に入り組む段差を重ねて表現された。ゲームのオープニングで、ワカバタウンのポケモン研究所でヒノアラシ、チコリータ、ワニノコから選んだ1体を手持ちに加え、冒険が始まったワクワク感がよみがえってくる。

製作したジオラマをツイッター、動画サイトで公開しているUMA(@UMA_RABBIT)さんによると、大量に置かれた木の総数は534本。1本当たりの製作に8分かかるため「木だけで最低でも4272分(71時間以上)はかかっているかと思います」と苦労を語った。以前、同様にジオラマを製作していたゲーム「ポケットモンスター赤・緑」に登場する木と種類が異なっていたといい、「前作の赤緑では広葉樹のような形状だったのですが、金銀では針葉樹になっており先のとがった形状になっているので、これを画用紙でどのように表現するか悩みました」と振り返った。画用紙30枚以上消費し、完成までに2カ月を要した。

UMAさんは、初代ポケモンの「赤・緑」が発売された96年、ゲーム内の至る所にある段差を疑問に思っていた。「マサラタウンからトキワシティにかけて段差がたくさんあるので、山のような形状になっているのではないか。トキワシティからマサラタウンを見下ろしたらどんな眺めになるのかと想像を膨らませていました」。20年以上が経過した2020年、コロナの影響で家にいる時間が増えた。「小学1年生の当時、疑問に思っていたポケモンの街や道路の高低差がどうなっているのか、答え合わせをするために作り始めました」と説明した。

UMAさんは「金・銀」の思い出ついて、「やはり前作(「赤・緑」)のカントー地方に行ける事。シロガネ山というマップで前作の主人公と戦える事です」と振り返った。「金・銀」の舞台・ジョウト地方と合わせ、「この2つの地方はいつか必ずつなげて展示してみたい」と意気込んだ。

現在、29番道路を抜けた次の街・ヨシノシティのジオラマを製作中。ジョウト地方の〝冒険〟は始まったばかりだ。UMAさんは「マダツボミの塔があるキキョウシティ、ラジオ塔のあるコガネシティ、スズの塔のあるエンジュシティなど大きなランドマークのある街の製作は楽しみです。ただ楽しみなのと同じくらいにちゃんと作れるのか不安でもあります」と話した。

(よろず~ニュース・松田 和城)

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