東京商工リサーチ新潟支店が第24回新潟県内企業「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査

株式会社東京商工リサーチ新潟支店は4日、第24回新潟県内企業「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査の結果を公表した。同アンケートは、10月3日から12日の期間に実施し、有効回答142社を集計、分析したもの。

「新型コロナウイルスの発生は、企業活動に影響を及ぼしていますか?(択一回答)」という問いに対して最多となった回答の最多は、「影響が継続している」で69.7%(142社中99社)だった。以下、「現時点で影響は出ていないが、今後影響が出る可能性がある」が6.3%(9社)、「影響が出たがすでに収束した」が18.3%(26社)、「影響はない」が5.6%(8社)だった。「影響が継続している」は、前回調査の72.8%(180社中、131社)より3.1ポイント良化した。

「新型コロナウイルスの発生は、企業活動に影響を及ぼしていますか?(択一回答)」に対する回答の割合

「貴社の今年9月の売上高は、前年同月(2021年9月)を「100」とすると、どの程度でしたか?」という問いについては、2022年9月と前年同月(2021年9月)の売上高比で回答があった企業を見ると、「100以上」つまり増収となった企業は69.8%(81社)、それ以外の30.2%(35社)が前年割れ(減収)だった。

減収企業率の推移

「コロナ禍の収束が長引いた場合、「廃業」(すべての事業を閉鎖)を検討する可能性はありますか?(択一回答)」という問いに対して最多となった回答の最多は、「ない」で97.7%(131社中、128社)、「ある」が2,3%(3社)であった。

「廃業検討率」の推移

「廃業を検討する可能性が「ある」と回答された方に伺います。検討するのは、いつ頃ですか?」という問いに対して最多となった回答の最多は、「7か月から12か月」で66.7%(2社)、「1か月以内」が33.3%(1社)であった。

「コロナ禍の収束が長引いた場合、再生支援協議会(活性化協議会)や事業再生ADR、民事再生法などを活用して「事業再生」を検討する可能性はありますか? (択一回答)」という問いに対して最多となった回答の最多は、「ない」が99.2%(127社中、126社)、「ある」が0.8%(1社)であった。

「現在、貴社は金融機関からの資金調達ニーズはありますか?(複数回答)」という問いに対して最多となった回答の最多は、「資金ニーズはない」の45.4%(132社中、60社)だった。「ニーズあり」のなかで最多は、「運転資金」の29.5%(39社)。以下、「設備投資資金」の26.5%(35社)、「既存融資(ゼロ・ゼロ融資)の借換」の10,6%(14社)、「季節資金(納税・賞与等)」の6,8%(9社)と続く。借換資金も一定のニーズがあることがわかった。

「貴社の事業環境から勘案して、コロナ禍への現状認識は次のどれですか?(択一回答)」という問いに対して最多となった回答の最多は、「もはやコロナ禍ではなく、コロナ以外の環境変化への対応が急務だ」の51,2%(129社中、66社)。また、「もはやコロナ禍ではなく、事業環境は平時を取り戻した」は11,6%(15社)で、合計62,8%の企業が「もはやコロナ禍ではない」と回答したのに対して、「コロナ禍真っただ中」は37,2%だった。

東京商工リサーチ新潟支店はレポートの中で、「『もはやコロナ禍ではない』と回答した企業が62,8%に及ぶことがわかった。コロナ禍も丸3年を迎えようとしている。感染防止への取り組みの浸透に加え、働き方やサプライチェーン維持に、各企業は多大な努力を重ねている。こうした積み重ねが回答結果に繋がったとみられる。ただ、エネルギー価格の高騰や人件費の上昇、急速な円安など企業を取り巻く環境が悪化しており、これらがコロナ禍の影響を薄らいでみせている可能性も否めない」と指摘。

また、「コロナ支援の主要施策で今年9月に受付が終了した「実質無利子無担保(ゼロ・ゼロ)融資」について、「借換ニーズがある」と回答した企業は10.6%にのぼった。全国のゼロ・ゼロ融資の今年6月末の利用額は42兆円で、企業により調達額は異なるが、単純な「借換ニーズ」額は3兆円を超える。コロナ禍の企業倒産は資金繰り支援で抑制されてきたが、ここにきて反転増に転じて支援の副反応も目立ち始めている。年末、年度末の資金需要期を前に、円安を始めとする深刻なコストプッシュ要因が絡まった「複合危機」への対応が急務になっている」と分析している。

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