5年ぶりの最終決戦、タイトルはどちらの手に。小椋藍はMoto2クラス日本人初の王座獲得なるか/第20戦バレンシアGP

 2022年シーズンのロードレース世界選手権は全20戦で争われ、11月4〜6日にスペインのリカルド・トルモ・サーキットにて開催されている第20戦バレンシアGPでいよいよ最終戦を迎える。これまでの19戦でMotoGPクラス、Moto2クラスともに熾烈なタイトル争いが繰り広げられてきたが、チャンピオン獲得の可能性は各クラスふたりに絞られており、ようやく今回でタイトル争いに決着がつく。そんなタイトル争いを繰り広げる計4人のライダーの王座獲得条件を見ていく。

 まず、MotoGPクラスのタイトル獲得の可能性を残しているのは、ランキング首位で258ポイントのフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)と、ランキング2位で235ポイントのファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)だ。前戦の第19戦マレーシアGPで決着が付くかとも思われていたが、決勝では優勝したバニャイアに対してクアルタラロが渾身の走りを見せ、見事3位表彰台を勝ち取って自ら望みを繋ぎ、最終戦へとタイトル争いを持ち込んだ。

フランセスコ・バニャイアとファビオ・クアルタラロ/2022MotoGP第19戦マレーシアGP

 MotoGPクラスのチャンピオンが最終戦となるバレンシアGPで決まることになるのは、リカルド・トルモ・サーキットで初開催された1999年以降では過去4度となっており、直近では2017年のマルク・マルケス対アンドレア・ドヴィツィオーゾ以来、実に5年ぶりのこととなる。そんな熾烈なチャンピオン争いを繰り広げているふたりのタイトル獲得条件を詳しく見ていこう。

■バニャイアのタイトル獲得条件
・クアルタラロが優勝しなかった場合
・14位以内でゴール
・15位でゴールし、クアルタラロが勝てなかった場合

■クアルタラロのタイトル獲得条件
・優勝し、バニャイアが15位以下

 続いてMoto2クラスのチャンピオン争いを繰り広げているのは、251.5ポイントのアウグスト・フェルナンデス(Red Bull KTM Ajo)と、242ポイントの小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)だ。前戦の第19戦マレーシアGPの決勝でポイントリーダーだった小椋は、2位を走行していたがファイナルラップで転倒を喫して痛恨のリタイアで終え、4位でフィニッシュしたアウグスト・フェルナンデスに逆転を許してしまう形となった。

 しかし、ふたりのポイント差は9.5ポイント差となっており、逆転王者獲得を狙う小椋にはまだ大いにチャンスが残されている。日本勢としてはIDEMITSU Honda Team Asiaの青山博一監督以来の13年ぶり、そして歴代6人目となるチャンピオン獲得に挑む小椋のタイトル獲得条件を見ていこう。

Moto2:ポールを獲得した小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)/2022MotoGP第19戦マレーシアGP

■小椋のタイトル獲得条件
・優勝し、アウグスト・フェルナンデスが4位以下
・2位でゴールし、アウグスト・フェルナンデスが6位以下
・3位でゴールし、アウグスト・フェルナンデスが10位以下
・4位でゴールし、アウグスト・フェルナンデスが13位以下
・5位でゴールし、アウグスト・フェルナンデスが15位以下
・6位でゴールし、アウグスト・フェルナンデスがノーポイント

 以上がそれぞれのタイトル獲得条件となっているが、果たしてMotoGPクラス、Moto2クラスともに2022シーズンの王座は誰が手にするのだろうか。6日に行われる第20戦バレンシアGPの決勝に目が離せない。

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