1年で11倍超に…校内の池で希少魚飼育 熊谷・佐谷田小でムサシトミヨ繁殖調査 約200匹を放流

繁殖調査でムサシトミヨを網ですくう子どもたち=4日、埼玉県熊谷市立佐谷田小学校

 埼玉県熊谷市立佐谷田小学校で4日、校庭の池で飼育している希少魚ムサシトミヨの繁殖調査が実施された。

 ムサシトミヨはトゲウオ科の魚で、体長5センチ前後。かつては関東一円に生息していたが、都市化に伴い激減。市内の元荒川が唯一の生息地だ。市と県の魚にもなっている大事な魚を保護しようと、生息地の周辺にある同校と久下小、熊谷東中の3校は敷地の池で繁殖活動を続けている。

 繁殖調査は毎年秋に行われている。水温管理やごみ取り、天敵のザリガニの駆除などを実施してきたムサシトミヨ繁殖委員会の5、6年生は池を水抜きしながら、網で丁寧にムサシトミヨをすくった。調査の結果、1年前の20匹から226匹に増えた。増えたムサシトミヨは繁殖用の20匹を除き、元荒川に放流した。

 同会委員長で6年生の吉田瑞姫さん(11)と同会副委員長で5年生の伊藤圭吾さん(10)は「去年よりも増えてうれしかった」と話していた。

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