宇都宮で香るまちづくり 地元産「いろはゆず」全面に

今年も実り始めた宇都宮市営ゆず園のユズ

 栃木県宇都宮市の上河内地区まちづくり協議会と上河内生涯学習センターは5日、同センターで「ゆず染め講座」を開き、市内の親子ら18組がユズで染めるストールの制作に挑戦した。同地区は地元特産のユズを使って地域活性化を図っている。今年も収穫の季節を控え、この日を皮切りに多彩な講座を開く。同センターの近藤康(こんどうやすし)副所長は「さまざまな企画を提案し、上河内のユズ『いろはゆず』を市内外に広めたい」と話す。

 同地区では旧上河内町時代、魅力ある農村環境づくりのため各世帯にユズの苗木が配布され、地域全体にユズ栽培が広がった。1990年には公営の「ゆず園」が設置された。

 地元に根付いたユズを生かし、同協議会と同センターは昨年から染め物や芳香剤を開発してきた。今年3月には上河内産ユズを「いろはゆず」と命名。「黄色に恋し、香りに焦がれ」をキャッチコピーとして、地域おこしに活用している。

 この日の講座は、同センター職員と、地元をPRする同地区ブランドアンバサダーの4人が講師となって開かれた。

 参加者たちはユズの皮を煮出した染料を70度に熱し、シルクの布を入れて30分間浸した。続いて媒染液に浸して発色させ、スカーフを完成させた。ユズの香りが漂う中、トングで布を動かすと、徐々に黄色く染まっていった。

 中里町、主婦田辺愛(たなべあい)さん(44)は「意外と簡単で、家でも作れそう」、娘の小学3年穂愛(ほなみ)さん(8)は「ユズは大好き。楽しかった」と笑顔で話していた。

 このほか同センターでは、6日午前10時からスタイリストを招いた「ゆず染めのストールアレンジ講座」、12月3日はユズの香りの中でヨガを楽しむ「いろはゆず×ヨガ教室」、同17、18の両日はユズの芳香剤「モイストポプリ」と果汁を使ったグミを作る講座が開催される。

 (問)同センター028.674.3131(平日午前8時半〜午後5時15分)。

 

シルクの布を染める参加者ら
ストール(手前)などのユズ染め製品

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