<金口木舌>脱プラスチックへの第一歩

 英国のバンド、ザ・フーは1966年のヒット曲「Substitute」で「私はプラスチックのスプーンをくわえて生まれた」と歌う。貧しい家庭で育ったことなどを表現したという

▼今やプラスチックは生活に深く定着する。持ち帰り食品の容器やスプーン、日用品の包装など各所で見かける。気づくとプラチックに囲まれて暮らしている

▼福岡の男性が1カ月プラスチックなし生活に挑戦して話題を集めた。洗剤や調味料は量り売りの店で購入し、食材は包装されていないものを選ぶ。海洋ごみの現状も取り上げ、分かりやすくプラスチックの問題を紹介した

▼海のプラスチックごみが今後も増え、2050年に魚の量より重くなるとされる。小売りや外食業界で脱プラスチックの動きが加速するが取り組みは始まったばかりだ

▼一歩一歩、未来へ進む子どもたちや、これから生まれる命のために、豊かな環境を守る必要がある。プラスチックなしの生活は難しくても、簡単にできることがあるはずだ。知恵を絞ることが第一歩になる。

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