【関東大震災99年】横浜の大火「わずか1日で灰じんに」 2万6千人余りが犠牲 専門家がオンラインで講演

オンラインで講演する吉田さん=神奈川大みなとみらいキャンパス

 99年前の関東大震災の被害と復興をテーマとしたオンラインの連続講演会がスタートした。初日の5日は横浜都市発展記念館の吉田律人調査研究員が登壇し、2万6千人余りが犠牲になった横浜市の被災状況について「大火によってわずか一日で灰じんに帰した」と説明した。

 吉田さんは、同館や横浜開港資料館などで所蔵する震災体験者の日記やスケッチ、写真師が撮影した被災現場の写真を活用。記載内容を写真で検証する作業を進め、実態に迫る研究を重ねている。

 講演では、当時の横浜市役所付近でつぶれた家屋の屋根に避難する人の写真を示し、「関東大震災の被害といえば、同じように大火に見舞われた東京のイメージが強いが、揺れは横浜の方が大きかった」。市役所は倒壊しなかったものの、内部に火が入り、外壁を残して焼き尽くされたという。

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