関東大震災で壊滅、横浜の遺構を訪ね歩く 被害広げた大火の背景探る

関東大震災で被災した外国人住宅の遺構を見学する神奈川地学会のメンバーら=横浜市中区

 99年前の関東大震災で壊滅した横浜の中心部を巡る街歩きが30日に行われた。当時の記録や体験記を頼りに象徴的な被害の現場や今も残る遺構を訪ね、被害拡大の要因となった大火の背景などを探った。

 来年9月に迫った震災100年を見据え、神奈川地学会(笠間友博会長)が主催した。

 県庁(横浜市中区)近くに残る商社の壁、沈下した石積み護岸がある象の鼻地区などを見学。ガイドを務めた元高校教諭の相原延光さん(72)は当時の延焼火災状況図を示し、「火災は早い所で正午ごろ発生し、あっという間に燃え広がった。火災旋風も起きた」と解説した。地震の発生は1923年9月1日午前11時58分で、昼食の調理で火を使う時間帯だった。

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