「天下市」3年ぶり“多摩地域最大級”イベントは大にぎわい 国立市

多摩地域で最大級の催しという50年以上続く商業イベント「天下市」がJR国立駅前で始まりました。

新型コロナウイルス感染症の影響で3年ぶりの開催となった天下市には国立市内のおよそ100店舗が出店し、初日の11月4日から多くの人でにぎわっています。50年続く畳店の青々と輝く畳や、住宅設備店の窓ガラス、ガスこんろなど、珍しい商品の数々も販売されています。

天下市は「天下に恥じない商人道を歩んでいこう」というスローガンの下、1964年に始まりました。国立市商工会が主催し、市内のさまざまな業態の企業や商店が出店する国立の一大イベントです。新型コロナ流行前には延べ30万人が訪れたというこのイベントの最大の特長は、各店独自のセール展開です。住宅設備の専門店はトイレや蛇口をお値打ち価格で販売していて「蛇口は日頃より1万円以上安い。ぐっと値段を下げている」と話します。また、イランから直輸入している羊毛100%の手織りじゅうたんの店では50%オフの商品がずらりと並び、ビンテージブランド店では北欧産フォックスの毛皮のマフラーが通常価格2万円のものが5000円で販売されていました。店の人は「初日の午前中から既にたくさんのお客さんに来ていただいている。コロナ禍で3年間気分が落ち込んだし、毛皮は輸入産業なので円安で厳しい商材だが、赤字覚悟で安くお出しした」と話すなど、赤字覚悟の"天下に恥じぬ商人たち”は並々ならぬ思いで3年ぶりのイベントに臨んでいました。

ミシン専門店ではイベント開始から2時間ほどで数台が売れました。店の人は「3年間辛抱してずっと待っていた。ミシン屋の場合、なかなか出合うことが少ないので改めて店の場所を知ってもらうことを大切にしている。ミシンへの反応が結構あるなと実感している」と手応えを語り、「最低5万円以上、十何万円、二十何万円とする商品なので、即決する人もそうでない人もいますから。出だしとしてはいい感じ」と話していました。また住宅設備店の人は「コロナ禍で開催できないことが悔しかった。開催できてすごくうれしい。準備している時にも『やるんですね』と声をかけてもらった。毎回開催される時には出店しているが、今回の反応は今まで以上。全テントで1番の売り上げを目指します」と話していました。

国立の街に根付く「天下市」の復活に、地元の人からも喜びの声が聞かれました。訪れた人の中には「大学も地元・一橋大学だったし、ずっと昔から知っている。にぎわうのは久しぶりだからいいですね。ずっと続けてほしい」「もう何十年も来ている。国立で金曜日にこんなに人がいるのはあり得ない。うれしいよ。面白いもの、見たいね。いいものがあったら買おうかなと思って楽しんでいる」などと話す人もいました。

国立市内の魅力あふれる名店の数々と出合える「天下市」は11月6日まで開催されます。

(※本イベントは終了しました。)

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