今月で発足150年 横浜港の発展や水際を守り続けてきた横浜税関の歴史たどる

横浜港大さん橋国際客船ターミナルから撮影した横浜税関本関庁舎

 税関は今月28日、前身である運上所から改称し正式に発足して150周年を迎える。貿易を通じ、横浜港の発展や水際を守り続けてきた横浜税関(横浜市中区)の歴史をたどった。

 現在、税関は全国9カ所あるが、「150周年記念ポスター」には「横浜海岸通之図(第3代歌川広重画)」(横浜開港資料館蔵)と、1872(明治5)年に税関に呼称統一する「照復文書」を配置。署名には後の大蔵大臣井上馨とともに、当時32歳で大蔵省に勤務し大蔵少輔(ゆう)だった渋沢栄一の名前もある。

 県庁には、59(安政元)年に横浜開港とともに開設された神奈川運上所の碑があるが、横浜税関の初代庁舎もこの地に建設された。

 2代目庁舎は、象の鼻地区(現在の象の鼻パーク開港波止場)に移ったが、関東大震災で倒壊。1934(昭和9)年、現在の横浜税関がある場所に3代目庁舎が完成し、高さ51.46メートルの塔も設置。当時の税関長が計画段階で県庁の塔よりも2メートル低かったことから見直し、税関の塔を当初より4メートル高くしたという記録も残っている。

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