台東区、1人3万円分の「こども商品券」配布へ 子育て世帯の約2万人対象

新型コロナウイルス感染症による経済低迷や物価高への対策として、台東区が3万円分の「こども商品券」を配布すると発表しました。子育て中の世帯だけでなく、区内の事業者からも期待の声が上がっています。

台東区が子育て世帯に向けて新たな政策を打ち出しました。配布の対象となるのは、区内に住む中学3年生以下の子どもと11月1日時点で妊娠している人で、1人当たり3万円分の「こども商品券」が配布されます。台東区・産業振興課の佐々木洋人部長は「子育て世帯の家計を支援し、また、区内の店を応援するため、消費を喚起する目的で今回配布することにした」と話します。予算規模はおよそ6億3500万円で、11月下旬から順次、商品券の郵送が始まります。

10月の構想開始からわずか1カ月でのスピード配布に、台東区の子育て世帯からも喜びの声が聞かれました。子育て中の区民からは「子どもの誕生日が近いので誕生日に使いたい。豪華な感じでケーキを買ったりしたい」「子どもはまだ5カ月。これからお正月もあるので、かわいい洋服などを買ってあげたい」などと話していました。

こども商品券は台東区内の企業「トイカード」が発行しているもので、全国およそ7000の店舗や売り場で利用できます。大手百貨店や子ども用品店のほか、遊園地やタクシーなどでも使えるということです。今後、対象店舗を浅草や上野の商店街などにも広げる予定で、さらに使いやすい商品券となりそうです。トイカード・商品券事業部の千葉広志ゼネラルマネジャーは「区と連携して、商店街や大型商業施設など区内の店舗を増やす活動をしている」と話しています。浅草の玩具店・ジャパンゾンのスタッフは「家族連れで来てもらっても大丈夫。この機会にうちの商品を知ってもらえたら」、着物販売店のたんす屋も「コロナで非常に苦しんでいるので、少しでも店が活性化すれば」と期待を寄せています。

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