表層型メタンハイドレート 上越沖に資源 児童学ぶ 燃焼実験など通して 東京海洋大から講師

 上越沖の海底などに存在する「表層型メタンハイドレート」について学ぶ出前授業が8日、上越市内の小学校2校で行われた。東京海洋大の青山千春特任准教授が講師を務め、児童は燃焼実験などを通じてメタンハイドレートの性質などに理解を深めた。

上越沖で調査を行ってきた青山さん(左)が講師を担当。児童はメタンハイドレートが燃える様子や溶ける音も聞いた(写真は宝田小5年生の授業)

 将来の海洋エネルギー資源として期待されるメタンハイドレートについて子どもたちに知ってもらおうと、県が実施している事業。コロナ禍で久しぶりとなる今回は直江津小と宝田小で行われた。
 このうち宝田小では5、6年生が受講。2004年から、上越沖で調査に当たっている青山さんは、名立区から約30キロの沖合、海底900メートルにメタンハイドレートがあると説明。マイナス180度で凍らせたものを燃やすと、炎と水が出て子どもたちは驚いていた。

炎を噴き上げて燃えるメタンハイドレート。下には冷たい水がたまり、不思議な性質に児童は驚いた

 燃料や発電、水素を作る研究も進んでいると解説した青山さん。昨今のエネルギー事情にも触れ、「輸入に頼っているエネルギー資源。戦争の影響も出る中、自分たちの近くにある自然資源はとても重要」と説いた。
 授業では海底の探査と採掘を行うボードゲームも行われた。木村心太郎君(5年生)は「凍ったものが燃えるのが不思議だった。地元にこんな資源があると知り、とても驚いた」と話していた。

© 株式会社上越タイムス社