ラニーニャ現象 冬後半には終息に向かう 春には平常の状態に戻る可能性高く

 気象庁は10日、エルニーニョ監視速報を発表した。ラニーニャ現象が続いている。今後、冬の半ばにかけてラニーニャ現象が続く可能性が高く(80%)、その後、ラニーニャ現象は終息に向かい、春には平常の状態となる可能性が高い(70%)。 10月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は-0.9℃で、9月と同じだった。ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の7月の値は-0.7℃で、12か月連続して-0.5℃以下となった(ラニーニャ現象の基準は6か月以上)。

 大気海洋結合モデルは、エルニーニョ監視海域の海面水温が冬にかけて基準値より低い値で推移し、その後、西部の暖水の東進に伴い上昇に転じ、春には基準値に近い値になると予測している。 以上のことから、冬の半ばにかけてラニーニャ現象が続く可能性が高く(80 %)、その後、終息に向かい、春には平常の状態になる可能性が高い(70 %)。

エルニーニョ/ラニーニャ現象とは

 エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられている。

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