「森林浴をしている気持ちになります」ヒノキの無垢材から生まれたいす『×(かける)君』【しずおか産】

静岡県河津町の観光協会。きょうのしずおか産」は?

<河津町産業振興課 渡邊絢子主事>

「ヒノキを使ったいす『×(かける)君』です」

『×(かける)君』は簡単に組み立ることができるいすなんです。

<渡邊絢子主事>

「この2枚をこの穴の中に差し込んでこのように使います」

<天野貴弘カメラマン>

「名前のように掛け合わせるだけなんですね」

河津町の森林から切り出した「伊豆ヒノキ」の無垢材を使ったいすです。座り心地はどうなんでしょう?

<天野カメラマン>

「安定していますよね。で、木の香りがヒノキだからリラックスできるいすですね」

<渡邊絢子主事>

「森林浴をしている気持ちになりますよね」

<天野カメラマン>

「なります!なります!」

ヒノキはリラックス効果をもたらす「フィトンチッド」を多く含んでいるので、体を休めるいすの材料には最適なんです。シンプルな構造と無垢材の特徴を生かし、自分流にアレンジすることができます。

<購入した村田勝城さん>

Q.ずいぶんと雰囲気が違いますね?

「南の国の島イメージで、そこの人がたちが星を見るためのいすっていうデザインで…最終的には焼いて黒く染めてしまいましたという」

村田さんの趣味はDIY。星空を見上げるイスになりました。

<購入した村田さん>

「上が見えるように脚を削って寝られるように、そんな感じで加工してみました」

村田さんは半年をかけて板を削って形を整え、座面を丸くしたり、色を塗ったり、持ち運びもできるようにしました。

<購入した村田さん>

「こんな感じですね。いや〜、いいですね」

河津町の町有林です。『×(かける)君』で使うヒノキはこの森から切り出しています。

<伊豆森林組合組 谷康司業務課長>

Q.『×(かける)君』に使う材料は?

「シカに食べられて穴が開いていたり、形がまん丸でない木材を利用しています」

木目の美しさや耐久性に優れるヒノキですが、建築材として使うのはある程度の太さと長さが取れる根元から2m以上の部分。商品価値が低い部分も活用したい。そんな想いで生まれのが『×(かける)君』なんです。

伊豆森林組合は2022年4月、国際的な森林認証を受けました。森林資源の維持管理や生物の多様性の確保など、持続的な管理が評価されたからです。『×(かける)君』は管理が行き届いた森林から切り出す「優良木材」を使ったイスなんです。

<伊豆森林組合組 谷康司業務課長>

「木材の価値を上げるという意味では間伐するようなことも大事ですし、光を当てて下の草を生やさせて、山を守るという意味も同時にあります。森林については人間が植えた人工的なものなので、最後まで人間が手をかけることが大事だと思います。放置された木材をどれだけ有効活用できるかが、わたしたちの工夫によって市場に出ていくと思うのでそこは大事だと思います」

伊豆森林組合と河津町役場、そして、河津町観光協会が知恵を出した「しずおか産」です。

<渡邊絢子主事>

「あえて無垢の状態のままで商品を売ることによって消費者の方々に河津町の森林というものを観光に来た際にでも山を見たときにふと思い浮かべてもらえたらうれしいです」

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