長崎県内で火災多発 11月だけで7件 空気乾燥、火の取り扱いに注意を

警察と消防による実況見分が行われた火災現場=長崎市千々町

 長崎県内で建物火災が相次いでいる。11月に入り、長崎、佐世保市などで少なくとも計7件発生。9日夜の長崎市千々町の火災では1人が死亡した。消防庁は空気が乾燥していたり、寒くなって火を取り扱う機会が増えたりすると火災の発生リスクが高まるとして注意を呼びかけている。
 県内各署などによると、2日以降、長崎、壱岐、諫早、佐世保、対馬の各市で無人倉庫や民家などを全焼する火事が頻発。長崎署によると、長崎市千々町で9日発生した火災では、男性(87)方の木造2階建て約250平方メートルを全焼し、焼け跡から1人の遺体が見つかった。男性と連絡が取れないという。
 台所付近の燃え方が激しく、同署は火元の可能性が高いとみている。男性の妻(81)は「ストーブが燃えとる」と隣家に助けを求め無事。近所の70代男性は「窓ガラスが割れた後、酸素が建物の中に入り一気に炎が上がった」と振り返り、「朝夕が冷え込み、ストーブの使用が増える時季。周りには高齢者が多く住んでいるので声をかけ合い気を付けていかなければ」と話した。
 長崎地方気象台によると、長崎観測所では10月18日以降ほとんど雨量が観測されておらず、県南部と北部に乾燥注意報を継続して発表している。空気が乾燥し、火が燃え広がりやすい状況だ。
 9日から15日までは秋の全国火災予防運動期間。長崎市消防局によると、火災の主な原因は多い順に▽電気器具・配線▽たばこ▽こんろ-など。火事を防ぐための習慣として寝たばこをしない、ストーブの周囲に燃えやすい物を置かない、こんろを使用する際はそばを離れない、コンセントのほこりを清掃する-などを挙げている。


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