県に「質問書」送付へ 佐渡汽船のフェリー導入支援で溝 上越市・佐渡市

 佐渡汽船が来年3月から中古カーフェリーを小木―直江津航路に就航させるに当たり、県と上越、佐渡両市に行政支援を求めている件について、上越市が負担割合をめぐり、県交通政策局に対し「質問書」を送付する方向で調整していることが分かった。佐渡市も同様の対応を行う方針という。
 質問書は県と両市の間で問題となっている行政支援の負担割合について、県に対し負担割合の考え方や真意などを問うものとみられる。
 県と両市は、佐渡汽船が7月、中古カーフェリーの購入方針と行政支援を要請して以降、11億円とされる支援の負担割合をめぐり、主張の食い違いが続いていた。
 県は負担割合を「県1、両市1」と主張。全額をいったん両市が支払い、国からの交付税措置で8割(8・8億円)の手当てを受ける。残る2・2億円は県と両市で等分するというもの。
 両市は佐渡汽船の事業継続支援(2020年)で使った「県5、佐渡市2、上越市1」を主張。今回に当てはめると県の負担は「1対1」に比べると大きく増え、両市の負担は小さくなる。
 質問書送付の背景は、主張の食い違いだけではない。両市に説明がないまま、県議会における負担割合表明もしこりを生んだ。10月22日には佐瀬浩市局長が上越市を訪れ「支援額を一度に支払わず、分割にしてはどうか」と八木智学、小田基史の両副市長に提案。ある関係者は「財布の中身までのぞく気か」と憤った。
 県、両市とも財政負担の軽減は重要な課題だ。質問書が問題解決の「落としどころ」を見つける契機となることが期待される。

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