オリンピック出場の北川貴理、富士通陸上部退部も競技生活続行 指導者目指しながら第二の競技人生

北川貴理

 陸上男子短距離やリレーで2016年リオデジャネイロ五輪、17年世界選手権に出場した北川貴理(26)=福井県・敦賀高校出身=が、所属する富士通陸上部を退部し、地元福井で指導者を目指しながら競技生活を続けることが分かった。北川は11月11日、福井新聞の取材に「お世話になった福井で、子どもたちに夢を追う素晴らしさを教えたい」と語った。

 北川は敦賀市粟野中学校で陸上を始めた。敦賀高校で400メートルに取り組み、3年生時には全国高校総合体育大会(インターハイ)、日本ジュニア選手権、国民体育大会の男子400メートルで優勝。順天堂大学2年時の16年、1600メートルリレーでリオ五輪出場を果たした。17年には日本選手権400メートルで初優勝を飾り、個人種目で世界選手権に出場した。

 富士通では全日本実業団選手権1600メートルリレーで2度優勝。しかし個人種目の400メートルでは思うような結果が出せず、東京五輪や今夏の世界選手権代表入りを逃し、今年10月20日付で陸上部を退部した。

 北川は同社陸上部ホームページで「日本一のチームで競技ができるという期待を持って入社したことを昨日のように覚えている」と回顧。所属した4年間は調子が上がらない中でも練習内容や大会スケジュール、けがとの向き合い方を学んだとし「自分自身の成長につながった」とつづった。

 取材には今後についても語り、故郷福井を拠点に、中高生やクラブチームの指導者を目指しながら第二の競技人生を送るとした。また、第一線という形ではなくなるが「指導の合間に練習を重ね、公式戦で走っていきたい」とも語った。

 敦賀高時代の恩師、橋本洋監督は「前向きで誰よりも気持ちが強い選手。自らの経験を生かし、次の世代を育てる良き指導者になってほしい」とエールを送った。

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