WS制覇のアストロズ 1年契約を拒否したクリックGMの退団発表

日本時間11月12日、アストロズのジム・クレイン・オーナーはジェームス・クリックGMと来季の契約を結ばないことを発表した。「ジェームスの貢献のすべてに感謝している」と述べたクレインだが、今季限りで契約満了となったダスティ・ベイカー監督とクリックに提示したオファーは1年契約。オーナーとの関係が良好とみられるベイカーは、そのオファーを受け入れて来季も監督を務めることが決定したが、クリックは1年契約のオファーしか得られなかったことに不満を持ち、結局アストロズを去ることになった。

アストロズとクリックの契約は10月末に満了を迎えたが、チームがワールドシリーズを戦っていたこともあり、11月に入っても引き続きGMの職務を担い、ラスベガスで行われたGM会議にもチームの代表として出席していた。日本時間11月10日にはベイカーとの1年契約が正式発表されたものの、クリックとの契約に関する発表はなし。クレインは「もっと話し合いが必要だ」と話していたが、今日になってクリックがチームを去ることが発表された。

クリックはアストロズがサイン盗み問題に揺れていた2020年2月、解任されたジェフ・ルーノーGMの後任としてレイズからアストロズに加入。アストロズのGMを務めた3年間でリーグ優勝2回、ワールドシリーズ制覇1回という結果を残した。しかし、今年のトレード・デッドラインでカブスのウィルソン・コントレラスを獲得しようとしたところ、「自分の成績のために毎日試合に出たがる選手は必要ない」というベイカーの考えを支持したクレインにトレードを却下されるなど、オーナーや監督との関係性はあまり良好でなかったとみられている。

なお、アストロズはスコット・パワーズGM補佐の退団も発表している。ウィンター・ミーティングまで1ヶ月を切っているなか、新GM探しを始めることになるが、アストロズ出身で長年ブリュワーズの編成部門のトップを務めたデービッド・スターンズは「どこへも行かない」と古巣復帰の可能性を否定。近年はフロントから他球団への人材流出も続いており、クレインが新GMに誰を起用するか注目される。

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