「緩みっぱなし」続く失態に厳しい批判 葉梨法相更迭で栃木県関係国会議員

葉梨法相の更迭を報じるデジタルサイネージ(電子看板)=11日午後5時10分、宇都宮市江野町

 死刑制度を巡る失言で11日、事実上の更迭となった葉梨康弘(はなしやすひろ)法相。「あってはならない発言」「緩みっぱなしだ」。山際大志郎(やまぎわだいしろう)前経済再生担当相に続く閣僚の辞任を受け、栃木県関係国会議員からは岸田政権への厳しい声が党派を超えて上がった。

 「命を預かる立場で言ってはならない失言。10日のうちに自ら退くべきだった。続投させた首相も甘い」。自民党の佐藤勉(さとうつとむ)衆院議員は首相の対応も批判する。

 寺田稔(てらだみのる)総務相の政治資金問題にも触れ「一寸先は闇」と辞任ドミノを懸念。内閣支持率低下に歯止めがかからない事態に「統一地方選への影響が心配だ」と危機感を示した。

 自民の船田元(ふなだはじめ)衆院議員も「生死に関わることをちゃかすような話はよくない」と更迭に理解を示し、「他の閣僚は慎重に職務をこなしてほしい」と注文した。

 成人年齢を18歳に引き下げた民法改正議論をリードし、選択的夫婦別姓の導入に賛同する船田氏。「法務行政は注目される時期になっている」として、法相の職責の重さを強調した。

 「大臣の発言とは思えない。開いた口がふさがらない」。立憲民主党の福田昭夫(ふくだあきお)衆院議員は相次ぐ閣僚の失態を非難し、首相の資質にも疑問を投げかける。「参院選で首相は『決断と実行』を掲げたが、そのどちらもない。このままでは日本が駄目になる」と述べ、政権への攻勢を強める構えを見せた。

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