43歳の遅咲き米俳優 売れない頃の仰天オファーを告白 「若い肉体が必要だった」

俳優のジェレミー・ストロング(43)が、若き日のキャプテン・アメリカのボディダブル(替え玉)を依頼されていたことを明かした。HBOのドラマ「メディア王 ~華麗なる一族~」のケンダル役で知られるジェレミーは、キャリア初期にハリウッドでブレイクするのに大変苦労したそうで、最終的にダニエル・クレイグが主演した2011年作の映画「カウボーイ&エイリアン」のオーディションに失敗した後、驚くべきオファーを受けた。だが「一文無し」だったにもかかわらず、結局それを辞退したという。

ジェレミーはサンデー・タイムズ紙のカルチャー誌で、こう振り返っている。

「『キャプテン・アメリカ』についての極秘の映画があると言われたんだ」

「キャプテン・アメリカがスーパーヒーローに変身する前の若い肉体を演じる人が必要だった。彼らは変身する俳優を必要としていて、CGIを使って実際の俳優の顔と声を僕のと合わせると言っていたよ」

ところがジェレミーは、そのオファーが自身のスキルを「評価」しているとは思えなかったため、拒否したという。

「僕は一文無しだった。お金が必要だったんだ。考えたよ。でもそれが僕のロサンゼルスの話なんだ。ここでは成功しそうになかった。自分が提供するものが評価されるとは思えなかったんだ」

「その翌日、ニューヨークに戻り、2003年の大停電を舞台にした車椅子に乗ったアフガニスタンからの退役軍人の劇をやったんだ」

一方でキャプテン・アメリカ役を引き受けたクリス・エヴァンスは、ジェレミーの古い学友で、自身の役がスーパーヒーローになる前の弱い役を、ジェレミーが演じるように言われていたとは思いもしなかったそうだ。

それを聞いた時「そんな!」と叫んだクリスは、旧友が子供向けの演劇作品『ホビット』で「驚異的な」演技をしたのを見たことを思い出し、「この業界は予測不可能なんだ。でも、物事がうまくいってとてもうれしいよ。ジェレミーにとってプランBはなかったと思うからね」と語っている。

またジェレミーは、自分がまだ苦労しているときにミシェル・ウィリアムズやジェシカ・チャステインといった友人が大成功を収めるのを見るのは「辛い」と感じていたことを認めた。

「親しい人たちが仕事を得るのを見るのが辛くなかったと言えば嘘になる」

「自分には提供できるものがたくさんあるのに、そうしたチャンスから完全に切り離されていると感じていた。25年間、努力と出会いの繰り返しで、ほとんど結果が出なかった。60席の劇場で多少の上昇感を味わうなど、充実した経験もあった。でも若い頃は苦労したよ」

そしてジェレミーは、家族から「愚かな」夢をあきらめるように忠告されたという。

「侮蔑されたり、愚かだと言われたりしたこともあった」

「僕の人生には、そう言ってくる人たちがいた。親戚にね。若いうちは、そのような声を内面化するものだ。でも、僕の中にはあきらめきれない何かがあったんだと思うよ」

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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