捕手強化を目指す今季王者アストロズ コントレラス獲得に再挑戦か

アストロズは今年のトレード・デッドラインで捕手の補強としてウィルソン・コントレラス(当時カブス)の獲得を狙っていたものの、ジム・クレイン・オーナーとダスティ・ベイカー監督がゴーサインを出さず、破談となっていたことが報じられた。コントレラスの代わりに獲得したクリスチャン・バスケスがフリーエージェント(FA)となり、今オフは再び捕手の補強を目指すことになるが、ジョン・ヘイマン記者によると、依然としてコントレラスに興味を持っているようだ。一時は却下された「アストロズ・コントレラス」は誕生するのだろうか。

現在30歳のコントレラスは、今季カブスで113試合に出場して打率.243、22本塁打、55打点、4盗塁、OPS.815を記録。メジャーデビュー後の7シーズンで2ケタ本塁打を6度(うち20本塁打以上4度)、OPS.800以上を4度マークするなど、メジャー有数の強打の捕手として活躍を続けている。今季は自身3度目のオールスター・ゲーム選出。ブレーブスに在籍する弟ウィリアムとの同時選出という点でも話題になった。

アストロズにはマーティン・マルドナードという強肩好守の正捕手がいるものの、打撃面には大きな不安があり、ベイカー監督は夏場の時点では「マルドナードと併用できる捕手」を求めていた。コントレラスはシーズン終了後にFAを控えていたため、ベイカー監督は「FAを控えた選手は数字を残すために試合に出たがる。毎日プレーしたがる選手を我々は必要としていない」と語り、クレイン・オーナーもこれに同調。結局、アストロズはコントレラス獲得を見送り、レッドソックスからバスケスを獲得することになった。

投手陣からの信頼が厚いマルドナードがいる以上、アストロズはコントレラスを不動の正捕手として起用することはできないが、コントレラスに捕手と指名打者を兼任させるという起用法が考えられる。捕手でマルドナードとコントレラス、指名打者でヨーダン・アルバレスとコントレラスを併用し、コントレラスにレギュラー級の出場機会を与えるというやり方だ。

コントレラス争奪戦においては、正捕手の獲得が急務のタイガースやカージナルスを有力候補に挙げる声も出ているが、今季王者のアストロズは争奪戦を制し、球界屈指の強打の捕手をチームに加えることになるのだろうか。

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