定道明さんと津田寛治さんの功績たたえる 2022年度の福井新聞文化賞贈呈式

関係者から祝福され笑顔を見せる定道明さん(手前右)と津田寛治さん(同左)=11月13日、福井県福井市の福井新聞社・風の森ホール

 2022年度の福井新聞文化賞の贈呈式が11月13日、福井新聞社・風の森ホール(福井県福井市)で行われた。半世紀にわたって詩、小説、評論の執筆を続け、福井の文学界をけん引した日本文藝家協会会員の定道明さん(82)=福井市=と、映画やテレビドラマを中心に活躍し、圧倒的な存在感を示している福井市出身の俳優、津田寛治さん(57)=東京都=を表彰し、功績をたたえた。

 定さんは福井県坂井市出身の中野重治を文学の師とし、研究の対象としてきた。丹念な調査と考察に基づいた中野の評論集をはじめ福井の風土に根差した詩集、小説を著してきた。1985年には県内唯一の散文学誌「青磁」を創刊。中央の文学界からも注目されるなど、福井の散文学振興に寄与した。

 津田さんは北野武監督の「ソナチネ」(93年)でデビュー。映画「模倣犯」(02年)で第45回ブルーリボン賞助演男優賞、「山中静夫氏の尊厳死」(19年)で第30回日本映画批評家大賞主演男優賞を受賞。福井駅前短編映画祭の審査委員長や、福井県と福井市の観光大使を務め、古里に貢献している。

 福井新聞文化賞は59年に始まり64回目。吉田真士社長が「根っこで福井を大切にされている2人を同時に顕彰させていただいて誇らしく思う。受賞をますますの活躍のきっかけとしてほしい」とたたえ、受賞者に賞状や記念品を贈った。来賓の中村保博副知事が祝辞を述べた。

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