今季王者アストロズ 一塁手補強としてヤンキースFAのリゾを狙う

今季5年ぶり2度目のワールドシリーズ制覇を成し遂げたアストロズは、主力メンバーのうち正一塁手のユリ・グリエルがフリーエージェント(FA)となっている。「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者によると、その一塁の穴を埋めるべく、一塁手補強の第1ターゲットとしてヤンキースからFAとなったアンソニー・リゾに狙いを定めたようだ。ほかには、ホワイトソックスからFAのホセ・アブレイユも候補であり、グリエルとの再契約の可能性も残されているという。

現在33歳のリゾは、今季ヤンキースで130試合に出場して打率.224、32本塁打、75打点、6盗塁、OPS.818を記録。5年ぶりにシーズン30本塁打を突破し、OPSも3年ぶりに8割台に乗せた。ヤンキースと2年契約を結んでいたが、オプトアウトの権利を行使。ヤンキースからクオリファイング・オファー(年俸1965万ドルの1年契約)を提示されているが、リゾがこれを拒否した場合、一塁手補強を目指すアストロズ、再契約を目指すヤンキースなど、複数のチームによる争奪戦となることが確実視されている。

ローゼンタール記者は、アストロズがリゾを獲得することによって、自軍のラインナップを強化するだけでなく、アメリカン・リーグの優勝を争うライバルであるヤンキースを弱体化させることができると指摘。38歳のグリエルは、昨季こそ首位打者を獲得したものの、今季は146試合で打率.242、8本塁打、53打点、8盗塁、OPS.647と衰えが目立っており、リゾを獲得できればアストロズにとって大きな戦力アップとなることは間違いない。

アストロズがリゾのほかに獲得候補に挙げているアブレイユは、ホワイトソックスの看板選手として活躍してきたスラッガー。2014年に新人王、2020年にMVPを受賞し、35歳となった今季は本塁打が昨季から半減したものの、打率.304、40二塁打、15本塁打、75打点、OPS.824と安定した打撃を見せた。

リゾ、アブレイユ、そしてグリエル。王者アストロズは2023年シーズンの正一塁手として誰を獲得することになるのだろうか。

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