スタッドレスタイヤの寿命は3~5年 福井の専門店に聞く、交換時期の見分け方、保管方法

「スタッドレスタイヤの状態を確認し、安全な冬のカーライフを送ってほしい」と話す堀弘幸さん=福井県福井市大和田2丁目のタイヤセールス福井北
溝の残りは「プラットホーム」と呼ばれる出っ張りで確認できる

 冬を迎えるのを前に、車社会の福井県で避けられないのがスタッドレスタイヤへの交換だ。物置に保管してあるそのタイヤ、まだ使えますか? スタッドレスはゴムが柔らかいことで路面に密着できるため、肝心なのが「硬さ」。溝が残っていても、硬く劣化していれば大きな事故につながる可能性がある。交換前に点検し、買い替え時を正しく見極めて冬のドライブを安全に楽しもう。

冬用タイヤの“寿命”は3~5年、硬さ&高さに注目

 夏用と違い「ゴムの硬さがとても重要」と指摘するのは、タイヤセールス福井北(福井県福井市)店長の堀弘幸さん(41)。買い替えの目安は二つあるそうだ。

 まずは使用年数で、基本は3~5年。スタッドレスには無数の細かい穴があり、水を吸って蓄えることで路面に密着する。ただ、古くなるとゴムに含まれるオイルが揮発し硬化、性能が落ちるという。硬化の進み具合はメーカーなどで差があり、ショップでは硬度計を使い確認できる。

 もう一つは溝の残り。「新品の半分が交換時期」と堀さん。タイヤの溝の中に、「プラットホーム」と呼ばれる出っ張りがある。この出っ張りと、残っている溝の高さがそろったら交換時期だ。

⇒【写真】プラットホームって?溝の中のこんな出っ張り

夏タイヤ使用は危険…燃費にも悪影響

 溝が残っているのに捨てるのはもったいないと、夏タイヤとして代用する人もいるが、堀さんは「安全上やめた方がいい」と指摘する。カーブで膨らみやすかったり、水はけが悪いため制動距離が延びる可能性もある。摩擦が大きく重量もあり、燃費にも悪影響という。

 値段が安いという理由で夏用より小さいスタッドレスを使う人もいるが、堀さんは「純正の夏用と同じサイズが良い」ときっぱり。サイズが変わるとスピードメーターなどに誤差が生じ、自動ブレーキをはじめとした安全装置の動作に支障が出る可能性がある。

スタッドレスタイヤの保管方法は

 長持ちさせるには保管時にも注意を。寝かせて積むと過重でタイヤが変形するため、立てるのがベスト。ゴムに含まれるオイルの揮発を防ぐため、日の当たらない物置への収納が望ましい。堀さんは「わずかなタイヤの利きの差が事故につながり、命取りになる場合もある。分からないことがあれば気軽に相談してほしい」と話していた。

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