「ネットで知り合った人と会った」中学生25人に1人、高校生7人に1人 栃木県が調査

面識のない人とのネットを介した交流経験(%)

 栃木県内中高生を対象にした県の調査で、中学生の4%(25人に1人)、高校生の13.6%(7人に1人)がインターネットを通じて知り合った人と実際に会ったことがあると答えたことが、15日までに分かった。交流サイト(SNS)などネット経由での交流が増える一方、青少年が犯罪被害に遭うケースもあり、県は慎重な行動を呼びかけている。

 調査は2021年度に行われ、19中学校の1555人、10高校の5592人が回答した。

 面識のない人とネットで知り合い、会ったことが「1度」とした中学生は全体の1.8%、高校生は5.7%だった。「少しある」は中学生1.4%、高校生5.1%。「何度もある」は中学生0.8%、高校生2.8%。有害サイトへの接続を制限する「フィルタリング」の利用率は中学生37.9%、高校生37%だった。

 一方、10~17歳の全国5千人を対象にした内閣府の21年度調査では、ネットで知り合った「同性と会ったことがある」「異性と会ったことがある」の回答率の合計が中学生は3.5%、高校生は9.8%だった。質問の仕方が異なるため単純比較はできないが、本県の回答率は国の調査結果を上回ったことになる。

 SNSをきっかけに青少年が重大犯罪に巻き込まれるケースは全国的に増えており、本県でも22年に入って県内在住の女子中高生が連れ去られる誘拐事件が少なくとも4件発生。SNSで知り合った容疑者の男がそれぞれ逮捕されている。

 啓発事業として県や県教委は希望する学校に出前講座を行ったり、広報資料を配布したりしているほか、各地域でネットリテラシー教育を担う指導者の養成にも取り組んでいる。

 県人権・青少年男女参画課はSNSなどの利用に慎重さを求める一方、「ネットは社会生活に必須なので長く安全に付き合う方法を学んでほしい」として、フィルタリング活用や親子での利用ルールづくりなどを促している。

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