10%を超える還元も! PayPay、楽天ペイだけじゃない、ぜひとも使いたいお得な地域通貨・地域ペイまとめ

買い物するならポイント還元のあるキャッシュレス決済で。PayPayや楽天ペイといったスマホ決済を活用している方も多いでしょう。でも、お住まいの地域に「地域通貨」があれば、もっとお得に買い物ができるかもしれません。

今回は、地域通貨・地域ペイはどんなものか、お得な地域通貨・地域ペイをご紹介します。


地域限定で使える地域通貨・地域ペイ

地域通貨は文字どおり、特定の地域でのみ利用できる通貨であり、地域ペイは決済アプリ(プラットフォーム)を指します。地域通貨は、自治体などが発行していて、円と交換(チャージ)することで手に入ります。最近は、スマホアプリで利用できる地域通貨も増えてきています。その地域の住民しか利用できないものもあれば、住民以外でも利用できるもの、住民のほうがお得になるものもあります。

私たちが普段から使うお金、円(日本円)は、全国どこでも利用できます。しかし、そうなるとお金は都市部に集まってしまいます。その点地域通貨を流通させれば、その地域だけでお金を使ってもらえるため、経済活性化につながると考えられます。

消費者にとっては、地域通貨にすることで使い道が減るのですから、一見損に感じるかもしれません。しかし、地域通貨の中には、チャージ・利用でポイントが還元されるなど、円を使ったのでは得られない特典があるものも多く、各地域で活用されています。

お得な地域通貨・地域ペイを一挙紹介!

地域通貨・地域ペイには、たとえば次のようなものがあります。

せたPay(せたがやPay)(東京都世田谷区)

「せたPay」は世田谷区の加盟店約3400店舗で利用できるスマホ決済アプリ。セブン銀行のATMからせたがやコインにチャージして買い物ができます。コンビニではセブンイレブン、スーパーではピーコック、その他多くの飲食店・生活用品店などで利用できます。世田谷区民でなくても利用できるので、世田谷区に遊びに行った際にも活用できます。

せたPayでは、ポイント還元のキャンペーン期間中に対象の中小・個人店で買い物をすると後日ポイント(せたがやポイント)がもらえます。せたがやポイントの還元率はキャンペーンによって異なります。たとえば「せたがた全力応援祭」であれば、還元率はなんと30%です。せたがや全力応援祭は本稿執筆時点(2022年10月31日)ですでに前期が終了。

後期は2022年11月1日〜2023年1月31日までで、せたPayでの決済額の30%のポイントが還元されます(ポイント上限:40,000ポイント)。なお、ポイント還元は予算に達した時点で終了すること、せたがやポイントの有効期限はキャンペーンにより異なる(せたがや全力応援祭の場合、付与日から6か月後の末日)であることには注意しましょう。

アクアコイン(千葉県木更津市)

千葉県木更津市で利用可能なアクアコイン(AQUACOIN)も、木更津市内で利用できる地域通貨・地域ペイです。スマホに専用アプリをインストールし、お金をチャージする(コインにする)ことで買い物ができます。

アクアコインが面白いのは、機能が充実しているところ。一般のスマホ決済アプリ同様、ユーザー同士でコインを送ったり受け取ったりすることができます。「らづFit」に登録するとスマホの歩数計と連動。1日8,000歩を達成すると木更津市内のアクアコイン加盟店全店で利用ができる「らづポイント」が5ポイント、月内10回達成で10ポイントもらえます。さらに、支払いやチャージの履歴を家計簿として整理する機能も用意されています。

アクアコインの利用額は10億円を突破したそうです。それを記念して、アクアコインで買い物することで15%の還元が得られるキャンペーンも実施されています(2022年10月20日〜2023年1月31日まで。毎月最大6,000ポイント、予算額に達した時点で終了)。

さるぼぼコイン(岐阜県高山市・飛騨市・白川村)

さるぼぼコインは、岐阜県高山市・飛騨市・白川村の飛騨地域で利用可能な地域通貨・地域ペイ。さるぼぼコインも、スマホアプリにチャージすることで1%のプレミアムポイントがもらえるほか、ユーザー間の送金にも対応しています(ひだしん・飛騨信用組合での所定の手続きが必要)。

さるぼぼコインでは、さるぼぼコインでしか買うことができない飛騨高山の「裏メニュー」を紹介する「さるぼぼコインタウン」なるサイトがあります。サイトをのぞくと「イタリア料理屋のカツ丼」「飛騨牛の希少部位」「酒蔵でしか飲めない幻の純米大吟醸」「山」など、気になる品が並んでいます。飛騨地域に住む方はもちろん、飛騨地域に出かける方も利用すると、ちょっと特別な体験ができるかもしれません。

ハチペイ(東京都渋谷区)

2022年11月ごろにサービス開始予定なのが東京都渋谷区のスマホ決済アプリ「ハチペイ」。
一部のコンビニATMや専用チャージ器、クレジットカードからハチペイにチャージすることで、渋谷区内の加盟店で買い物ができます。ハチペイも渋谷区民以外でも利用できるのですが、渋谷区民だととてもお得です。サービス開始とともに行われる予定の「ハチペイを利用してオトク!開催決定キャンペーン」に渋谷区民対象のものが多いからです。

具体的には、
・【渋谷区民対象】ハチペイデジタル商品券の発行
1万円で1万5000円相当のハチペイ商品券
・「ハチペイ」アカウント登録キャンペーン
ハチペイアプリダウンロード・登録で500ポイント
・【渋谷区民対象】マイナンバーカード認証キャンペーン
渋谷区民認証で1000ポイント
・「ハチペイ」ポイントバックキャンペーン(2023年実施予定)
ハチペイで決済するとポイント還元(上限あり・渋谷区民でなくても利用可能)
となっています。

今後も、渋谷区民限定のキャンペーンを実施予定とのことなので、渋谷区民であればぜひ利用した方がお得ですね。

地域通貨プラットフォームサービス「chiica」(チーカ)

chiicaは地域通貨を発行できるプラットフォーム。自治体はchiicaを利用して地域通貨の発行・管理を行います。そしてユーザーはchiicaのアプリをスマホにインストールすることで、各地域の地域通貨へのチャージ・利用ができるようになります。同じchiicaのアプリで、複数の自治体の地域通貨を使い分けることが可能です。

chiica経由で利用できる主な地域通貨には、たとえば次のようなものがあります。

・MINAKAIMI HEART Pay(みなかみハートペイ・群馬県みなかみ町)
全国のセブン銀行ATMや町内のチャージステーション経由でチャージすると3%のポイント還元。

・Toton(トロン・宮崎県川南町)
セブン銀行ATM・クレジットカード・川南町役場でチャージすると10%のプレミアム分が付与。

・negi(ネギー・埼玉県深谷市)
セブン銀行ATM・クレジットカード・現金でチャージして買い物すると1%のポイントが即時還元。期間限定ながら10%などポイント還元のキャンペーンもある

・MIMACA(みまか・徳島県美馬市)
徳島県美馬市の市民に5,000円分がチャージされたMIMACAを配布。2023年2月28日までにチャージするとチャージ金額の3%のプレミアムポイントが付与。

・さやりんポイント(大阪府大阪狭山市)
大阪府大阪狭山市の市民1人につき5,000円分のポイントを配布。

PayPayや楽天ペイなど、一般の決済アプリの通常の還元率は0.5%〜1.5%程度です。それに対して地域通貨の場合、地域こそ限定ながら10%を超える還元が得られる場合もあります。もしお住まいの地域や旅行先の地域などに地域通貨があるようならば、ぜひ活用していきましょう。

ただし、地域通貨のチャージ金額・ポイントには多くの場合、有効期限があります。場合によっては1年、半年などと短いこともあるので、うっかり失効しないように注意しましょう。

こういった情報を知っているか知らないかで、支出金額に大きな差がついていきます。本記事を参考に地域通貨・地域ペイがないかは意識して、賢くお金を使っていきたいですね。

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