新たな観光拠点に パワースポットとしてPR 吉川区「天岩戸尾神岳伝説」の周辺

 吉川区の尾神岳の麓にある大岩に伝わる伝説「天岩戸尾神岳伝説」の周辺整備の進ちょくを祝う会が13日、吉川区坪野のスカイトピア遊ランドで開かれた。あいにくの雨となり、現地見学会は中止となったが、約50人が参加し、後世に引き継ぐ伝統文化を共有し、環境整備を祝った。
 伝説は神話時代までさかのぼる。天照大神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸に隠れた時、天手力男命(あまのたぢからおのみこと)が少し開いた岩戸を力いっぱい開けると、勢いよく宙を舞った岩が二つに分かれた。そのうち大きな岩の部分が信州・戸隠山に、岩の尾の部分が同所に落ち、尾神岳の名称の由来になったとされている。
 整備は上越市地域活動支援事業を活用し、昨年度、石段や歩道の改修と草刈り、募金箱を設置。岩に紅白のしめ縄を張った。本年度は岩戸寺観音堂への通路整備や赤と青色のPRのぼり旗を設置。また、DVD動画や紙芝居、御朱印、チラシなどを作成し、パラグライダーに並ぶ同地の観光の売りにしようと意気込んでいる。
 今後事業主体となる吉川観光協会・北井文雄会長は「吉川観光協会として整備に力を入れ、今後も皆さんから活動にご参加、ご協力いただきたい」とあいさつ。水源地域振興対策協議会(徃住征二会長)の内藤潔事務局長(みなもとの郷社長)は人口減少が進む同地域の現状を憂い、「上越の中でも過疎が極端に進む地域。パワースポットとして売り出し、明るい材料を少しでも見いだしたい」と前向きに話した。
 一緒に整備を推進してきた世話人の宮川大樹市議が一大観光地の戸隠のにぎわいを見て、思いが膨らんだことを紹介し、昨年、今年度の整備状況を説明した。
 後段の記念講演では「上越古事記の会」主宰の景山しのぶさんの事例発表を聞いた。

祝う会の後段、「上越古事記の会」主宰、景山さん(右奥)の講演を聞く

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